2012年07月26日のエントリー

酒気帯び運転

2012年07月26日 · コメント(0) · 未分類

道路交通法第65条は酒気帯び運転について「何人、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。」と定めており、酒気帯び運転を禁止しています。一般的に言うところの飲酒運転を禁止している条文です。「車両等」ですから自転車も酒気帯び運転は禁止されています。ところが、酒気を帯びて運転すれば即、処罰(刑事上の責任、行政上の責任)されるかというと、そうではありません。道路交通法上では、一滴でも酒気を帯びて運転してはきけないと規定しているのですが、道路交通法第65条には罰則規定(刑事上の責任、行政上の責任)がないのです。信じられませんよね?処罰の対象となっているのは呼気1リットルにつき0.15ミリグラム以上のアルコールを身体に保有して運転した時なのです。0.15ミリグラムという数値は道路交通法施行令44条の3に記載されています。そのため0.15ミリグラムに満たないアルコールを身体に保有して車を運転しても酒気帯び運転として処罰することができないのです。0.15ミリグラムと0.14ミリグラムの差異など全くありませんが、それが現在の法律です。
もし、0.15ミリグラム以下の数値であっても、外見上、呂律が回らない、千鳥足でふらつき立っていられない、という酔っ払いの状態であればこれを酒酔い運転(道路交通法第117条の2台1号)として処罰されるのは当然です。しかし一般的に健康な成人の場合、0.15ミリグラム以下のアルコール保有量で酔っ払いの状態になることは私の経験では見たことがありません。もちろん私の取り扱い経験が無いというだけで、本当にお酒に弱い方であれば0.15ミリグラム以下でも酔っ払うことが起こり得ることはあるでしょう。つまり酒酔い運転とはアルコール濃度の数値に関係なく、酔っ払いの状態であれば酒酔い運転としての責任を負うのです。逆に例えば数値上は0.8ミリグラムなどと高濃度のアルコール量を保有していても、酔っ払いの状態ではなく、言語態度や歩行能力が正常であれば、酒気帯び運転として責任を負うことになるわけです。
助手席の者や後部座席の者にシートベルトを装着させないで運転すると行政処分として1点が付加されますが、酒気帯び状態でも0.14ミリグラムでは1点も付加されないのです。
不起訴処分になっても刑事裁判で無罪事件になっても、「刑事処分と行政処分は別のものですから」という理由で、一度付加された行政処分が取り消されるに残り続けるという理不尽な話も全国で起きています。あくまで私の私的意見ですが、0.14ミリグラムという数値では刑事上の責任を負わせることができないのなら、そんな時こそ「刑事処分と行政処分は別ですから」と根拠付けてしっかりと酒気帯び運転相当の点数を付加してもらいたいと思います。
酒気を帯びても少しなら大丈夫と思って運転を開始した運転手が持つ危険性帯有は、0.15という数値にかかわらず道路交通社会にはとっては著しく危険な反社会的行為だと思います。

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停止距離と交通事故鑑定

2012年07月26日 · コメント(0) · 未分類

私は交通事故や交通違反の調査依頼があり、実況見分調書は捜査報告書の書面を精査して実査に現場へも足を運びます。そこで細心の注意を払っているのが自動車が最終的に停止した場所と、衝突直前及び衝突してかあ最終停止地点で停止するまでの間に残されている痕跡です。
さて、停止距離ですが免許を持っている方ならみなさんほとんどの方が
停止距離 = 空走距離 + 制動距離(滑走距離)
という公式を見たことがあると思います。「空走距離」というのはなかなか自覚することができない距離で、いろいろな交通事故調査の現場で話を聞いていると、この空走距離をお忘れになっていることが多々あります。空走距離というのは、簡単に言ってしまえば、危険を感じて(あっ、危ない)、アクセルからブレーキに踏みかえ、ブレーキを踏み込んでタイヤがロックするまでに走る距離のことです。アッ、と思ってからブレーキが利き始めるまでの距離で、その間の時間を空走時間と言っております。当然、アッ、と思ってからも進行する距離ですから、危険を感じる時間は同じでも、その時の速度によって進行する距離が違ってきます。空走時間は年齢、男女、体調などによって若干異なりますが、概ね0.5秒から1秒でしょう。通常は0.75秒という数値を用いて計算しています。
例えば40キロメートル毎時で走行していると、空走距離は8.9メートルです。60キロメートル毎時で走行していると、空走距離は13.3メートルも車は運転手の意思に反して勝手に進んでしまうのです。生身の人間の能力では腕を上げる、一歩踏み出すといった1秒以下の時間でできることなど事件の本質にほとんど影響を及ぼさない程度の出来事なのですが、車に乗って運転していると1秒以下の時間でもその距離は大きく変動し交通事故鑑定、解析に重大な影響を及ぼすことになるのです。交通事故鑑定、解析という業務に慣れていないと、路面のスリップ痕の始まり部分を見て「ここでブレーキをかけた証拠ですい」と断定することがありますが、それは誤りであることがお気づきになると思います。例えば60キロメートル毎時で走行していたなら、正解はスリップ痕の始まり部分よりも約13メートル手前で危険を感じて咄嗟に急ブレーキを踏んだということになります。その結果が路面にスリップ痕として残ったのです。空走距離・空走時間というものは人間の生理的限界がありますので、日々の練習によって極端に早くできるものではありません。また、路面の状態やブレーキの性能などに関係なく、咄嗟の急ブレーキ(一般にはパニックブレーキと言われてます)の場合には必ず要する距離ということです。車が停止するにはさらに、制動距離が加わりますので車は急には止まれないのです。しかしこれは車の欠点ではありません。100メートルの世界記録保持者でもその速度は35~36キロメートル毎時しか出せませんので、40キロメートル毎時を超える速度というのは人間能力の限界を超えてる速度域にあるのです。能力の限界を超えて移動しているのですからちょっとした油断が大事故につながってしまいます。
人間の能力の限界を超えたところでわれわれは認知、判断、操作を繰り返し車を運転しているということを常に忘れずにハンドルを握ることが事故を防止するためにはとても大切なことということがわかります。
停止距離と交通事故鑑定・解析は密接に結びついていると考えています。

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追突事故の調査

2012年07月24日 · コメント(0) · 未分類

交通事故の形態として最も多いのは追突事故だと思います。事故調査をしているうえでも追突事故はよくあります。そして事故調査の中でも追突した運転手の話が分からなくなってしまうのも追突事故なんです。追突事故の形態にも走行中の追突や、減速・加速中の追突、停止中の追突など様々です。追突した運転手の立場になって事故調査をすると、一般的な追突事故の場合は前方の見通しは良好で目の前の車の様子が一番分かっているはずの後続車が追突するのですから、その原因はやはり運転手の人為的な運転ミスということになると思います。運転手の中には前の車が急に止まったので対応できなかった、こんな所で停止した前の車の方に大きな原因がある、と主張する方もおります。言わんとすることやお気持ちはよく分かるのですが、前の車が急に止まったのなら、運転手さんも急に止まればよかったじゃないですか、と少し意地悪く聞いてしまいます。そうなんです、私たちが運転している車はどんな場合でも急に停止することはできません。「車は急に止まれない」というフレーズの通りです。前を走っていた車だって、急に止まれるはずがなく、徐々に減速して停止するのです。その徐々に減速して行く経過を、わき見なり疲労なりで見落としてしまい、停止直前の状態にようやく気付いたからこそ、前の車が急に停止したように見えたに過ぎません。その原因がわき見など前方不注視だったり車間距離不保持だったり安全速度違反だったりと様々ですが、要するに前の車の走行状態に自分が反応して運転操作をすることができなかったために発生しているものです。
「前の車が急に止まった」なんていうことは起こらないことを車を運転していればよく分かると思いますが、道路交通法第26条第1項では「車両等は、同一の進路を進行している他の車両等の直後を進行するときは、その直前の車両が急に停止したときにおいてもこれに追突するおを避けることができるための必要な距離を、これから保たなければならない」と定め車が急停止することを前提にしてありますので、とにかく後ろを走る車はよく前後左右には注意しなければなりません。もちろん追突した車の運転手さんだけではなく、その後ろの車の運転手さんにも同じ注意義務が課せられているんです。追突事故で停止した前の車に、また玉突きで追突したら玉突きした運転手さんはその分の責任を負わなければなりません。全くわき見運転をするな、といっても無理ですよね。景色だって見るし車内ラジオだって操作するし・・・交通環境の中でよく自分の位置と速度を考えて運転するのが単純な事故を防止する対策なのかもしれません。

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酒気帯び運転でひき逃げ交通事故

2012年07月23日 · コメント(0) · 未分類

千葉市稲毛区では酒気帯び状態で乗用車を運転して自転車の中学生を跳ね、そのまま現場を立ち去ったという事実で52歳の男が逮捕されたという報道もありました。逮捕容疑は当然自動車運転過失致傷罪と道路交通法(酒気帯び運転とひき逃げ)違反です。たまたま私がこの報道を目にしただけで、全国的にはきっと、もっともっと発生しているのかもしれませんね。
飲酒が運転操作に及ぼす影響はいろいろな実験によって確立されていることだし、そもそも実験結果などなくても、飲酒したら適正な認知、判断、操作が鈍くなるということは多くの方は実体験として分かっていると思います。経験などなくたって最低限度のルールとして飲酒運転や無免許、ひき逃げなどは自動車を運転する者として分かっていることなんですけれど、やってしまうんですね。
ところで、この運転手は事故後に現場に戻ったところを逮捕されたということですが、どうか一旦帰ってビールを飲んでからまた出頭したなんて言い訳はしないで欲しい。怪我をされた中学生の早い回復をお祈りします。

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酒気帯び運転死亡事故

2012年07月23日 · コメント(0) · 未分類

海老名市の国道246号で22日午前3時10分ころ35歳の男が酒気帯び運転で乗用車を運転し、信号待ちしていた車列に突っ込み6台の乗用車が関連する多重衝突事故が発生したという報道がありました。この事故の結果3台の乗用車は炎上して最初に追突された車の男性が焼死してしまいました。本当に酒気帯び事故はなくなりません。どれだけ多くの尊い命の犠牲が払われようと、どれだか多くの遺族が声を上げようと、どれだけ警察が本気になって飲酒事故を無くそうと努力しても無くなりません。こんなに悪質で悲惨な死亡事故なのに、全国版ではもう報道もされなくなってしまい、飲酒・無免許事故は特別稀な事故のように受け止められているのは怖いことです。誰も飲酒運転を防止する有効な手段は持ち合わせていないのが実情なのでしょう。
この事件の運転手は居酒屋で飲酒して帰宅途中だったということで、「たばこに火とつけようとして前の車に衝突した」と弁解しているということです。背後責任の追及で飲酒した居酒屋は事情聴取を受けるでしょうが、まさか車を運転して帰宅するとは思わなかったと言い訳すれば種類提供罪での検挙も難しくなるのでしょう。運転手のアルコール呼気検査結果も0.15ミリグラム以上ということだし、そもそも事故の直接原因は飲酒運転ではなく、たばこに火をつけようとした行為で、前方不注視や動静不注視が原因となるため危険運転致死傷罪の適用は難しいかもしれません。
名古屋で発生した飲酒・無免許・無車検・無保険・死亡ひき逃げ事故、京都祇園で発生した常習無免許死亡事故など、危険運転致死傷罪の運用の見直しを求める運動が活発になっている最中にも、こうして同様の飲酒死亡事故が発生しているのが現状です。
悲しいですね。飲酒運転撲滅ということで自分にできることは何かと考えていますが、結局は自分が飲酒運転を絶対しない、と誓うしかありません。

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横断歩道での交通事故

2012年07月22日 · コメント(0) · 未分類

横断歩道に関することは道路交通法第38条に規定されています。「横断歩道等」とは横断歩道又は自転車横断帯で、横断歩道は道路標識又は道路標示によって歩行者の横断に用に供することが示されている道路の部分です。自転車横断帯は道路標示等で自転車の横断の用に供するための場所であることが示されている道路の部分です。横断歩道と自転車横断帯を合わせて横断歩道等と言います。自転車は車両等ですから乗ったまま横断歩道を渡ることはできません。自転車を押して歩けば横断歩道を歩行している歩行者となり、法律により保護されます。自転車は自転車横断帯がある道路を横断している時に保護されます。
道路交通法第38条は、車両等の運転者は横断歩道等に歩行者や自転車がないことが明らかな場合を除いて徐行義務と歩行者と自転車があった場合の一時停止義務を定めています。要するに車両等は横断歩道等に全く人がいないことが明らかな時はそのまま進行してかまわないけれども、横断歩道等の周辺に歩行者や自転車がいたら徐行し、歩行者や自転車が明らかに横断歩道等を横断しようとしている時は一時停止してその通行を妨げてはいけないといっているのです。このような意味で横断歩道等は歩行者と自転車にとっては正に聖域と言われてます。しかし、この聖域が絶対安全が保障された場所かという問いに対しては悲しいことにそんな保障はどこにもありません。それは全て車両等の運転手が法に定められた運転を実行しているかに全てがかかっているからです。私たちも車を運転し道路を走ると目的地に着くまでたくさんの横断歩道を通過します。横断歩道に接近すると、「あれ、あの人は渡るのかな?」と疑問に思う時があります。そんな時、疑問に思いながら車を進行させてしまってはいけないのです。手厚く歩行者等を保護してあげることが横断歩道等の目的ですから十分徐行して、あるいは一時停止して横断歩行者の絶対安全を確保してあげなければなりません。交通弱者や歩行者と車両が共存している交通社会とはそういうものだと思います。
ところで、横断歩道等は誰が決めているのでしょう。もし、交通事故の現場が横断歩道等であるなら、よく見かける道路にゼブラ模様のペイントがあれば横断歩道であると軽信してはいけません。「えーっ、何で?」と思うでしょう。法38条によって横断歩道等が保護されるためには、都道府県公安委員会が「この部分を横断歩道とします」という趣旨の公安委員会意思決定(通称は告示といいます)がされていることが大前提です。例えば町内会などで勝手に道路に横断歩道を書いてもそれは法律で保護されている横断歩道とは言いません。公安委員会の意思決定がなされていないからです。国道や県道、市町村道など道路管理者がしっかり管理している道路にある横断歩道であっても注意が必要です。それはこれだけ数多く存在する横断歩道を全て落ち度無く管理するということは非常い難しく、公安委員会の意思決定手続きをするのを忘れてしまって何年も放置されたままになっている横断歩道というのが結構多く存在しているのが実情だからです。横断歩道を道路に書いたけど、公安委員会の意思決定手続きをしなかったという人為的ミスによるものです。警察署交通課規制係などの2~4人程度の少ない警察官が管内の交通規制を担当してますが、横断歩道、一時停止標識、信号機、転回禁止、はみ出し禁止、一方通行、駐車禁止場所、最高速度など多種多様な全ての交通規制を管理することは不可能といっても過言ではありません。これらの規制標識は必ず例外なく都道府県公安委員会の意思決定がなければ効力はありませんので、標識が関連する交通違反や交通事故ではまず公安委員会の意思決定がどのようになっているかを確認しなければなりません。
公安委員会の意思決定が無い横断歩道を渡って交通事故に遭ってしまうと、運転手側は正式な横断歩道ではないと主張するだろうし、歩行者側は意思決定の有無に関わらず、横断歩道が書かれていなければその場所を横断しなかったと主張することになり、不必要な労力を強いられます。もし、横断歩道等が交通事故の発生場所になっている方であれば間違いなく都道府県公安委員会が意思決定をしている横断歩道であることの確認を発生から早いうちにしっかり行い安心しておくことは大切だと思います。

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駐車場内で発生した交通事故調査

2012年07月19日 · コメント(0) · 未分類

交通事故調査、鑑定を実施する私の立場として相談や依頼を受けた内容が交通事故と呼べるか考える時があります。人と車、車と車、自転車と人などは交通事故ですが、では歩道上で人と人がぶつかって転倒して怪我をした場合、交通事故でしょうか?こういった時の基準となるのが道路交通法72条第1項で、交通事故とは「車両等の交通による人の死傷又は物の損壊」と定義されているので、人と人は車両等に入りませんので交通事故とは呼べないと結論づけられるのです。それでは車両等の交通であれば発生場所は問わないのでしょうか?交通事故の定義が書かれている道路交通法は、あくまでも道路(一般公道)を対象としているため、駐車場内の事故はどのようになるのでしょう。道路には道路法上の道路などもあり想定から省きますが、今回はコンビニや銀行、ファミレスなどちょこちょこ事故が発生している駐車場です。
交通事故には今説明した道路交通法上の交通事故のほか、自動車損害賠償保障法上の交通事故、自動車安全運転センター法上の交通事故という3つの形態があります。駐車場の場合はそこが道路性を帯びてるかにもよりますが、例示したような駐車場の場合は、道路交通法上の交通事故では処理ができません。物損事故の場合は自動車安全運転センター法上の交通事故で交通事故証明書は発行されます。人身事故(人の死傷)であった場合は、刑法211条第2項の自動車運転過失致死傷罪での処理し、自動車損害賠償保障法上で自賠責保険を請求することもできるし、また自動車安全センター法上で交通事故証明書も発行されます。
一時不停止や信号無視、飲酒運転、無免許運転など交通事故に直接危険を与えている法令は道路交通法に記載されているのですが、道路交通法の中には交通事故を処理する法律がありません。自動車運転過失致死傷罪、危険運転致死傷罪、業務上過失致死傷罪は刑法で定められている犯罪なのです。
駐車場内の交通事故も交通事故に間違いなく事故調査を実施します。(民間調査会社ですので駐車場オーナーに出切りを制限されたら調査はできませんが、これまでに出入りを制限した駐車場オーナーはおりません)
ところがです、ご時世的にはこちらの方が感心があることだと思います。
駐車場内の交通事故で、自動車の運転手が無免許、飲酒、無車検、無保険だったとしたら、処罰できない可能性の方が大です。
処罰できないと言った方が適切かもしれません。
行政処分もないと思います。実際に私も神社境内や広い農家の庭で起きた人身事故を担当したことがありましたが、いずれも行政処分はありませんでした。
道路交通法と公職選挙法はざる法の典型と言われてますが、一理ありだと思います。

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ひき逃げ交通事故

2012年07月15日 · コメント(0) · 未分類

悪質交通事故の代名詞の一つとしてよく「ひき逃げ交通事故」という言葉を耳にします。本当に悪質で被害者感情のみならず安全、安心、平和な交通社会を常に期待している一般市民の立場であっても許されない交通事故犯罪だと思います。この「ひき逃げ」という言葉は一般的に使用されておりますが、道路交通法の中では使われていない言葉です。
ひき逃げ交通事故事件とは
交通事故があった時(交通事故とは、車両等の交通による人の死傷または物の損壊をいう)
・運転者その他の乗務員が、直ちに車両等の運転を停止して、負傷者の救護、道路における危険防止等必要な措置を講じないもの(道交法72条1項前段)・・・・「救護義務違反」「危険防止義務違反」
・及び警察官に当該交通事故の発生年月日、場所、死傷者の数及び負傷程度、損壊した物及び損壊の程度、交通事故について講じた措置を報告しないもの(道交法72条1項後段・・・・「報告義務違反」
を総称して「ひき逃げ交通事故」事件と呼んでいるのです。
もし、交通事故でも負傷者(怪我人)がいなくて、単に車や電柱、門扉などの工作物を破損したのに、現場を立ち去ったなら、「危険防止義務違反」並びに「報告義務違反」となり、これを「あて逃げ交通事故」事件と呼んでいます。
法律上でひき逃げ事故を解釈するととても難しく、例えば「負傷の程度が分からない軽微な事故の場合はどうなるか?」「直ちに車両等の運転を停止してとはどういう意味か?」「負傷者を救護するとはどういう意味か?」など法律上の用件に照らし合わせようとすると次から次へと疑問が湧いてくる内容だと思います。個々具体的な状況と法律の解釈については交通事故に詳しい弁護士の先生方にお尋ねすることが一番だと思います。法律とは自己都合による解釈が大変危険な方向へ主張を偏向させる恐れがあります。一般的に考えられているとおり、交通事故を起こして死傷者がいるのに、現場から立ち去った交通事故をひき逃げ交通事故と考えて間違いはないと思います。
ここでちょっとした注意点ですが、「人の死傷」とは自分以外ならば、通行人、同乗者、相手車両運転者・同乗者などすべての人に対する人の死傷という意味です。例えばバイクに二人乗りしていて同乗者が転落して怪我をしたのにそのまま立ち去ればひき逃げ交通事故の形態となります。また乗用車に家族、友人知人等を乗車させている時に交通事故を起こし、同乗者が怪我をしたのに警察に通報せず、そのまま走り続ければやはりひき逃げ交通事故の形態となります。運転手自身の判断で怪我は軽いから教護の必要も届出の必要も無いと判断してはいけないということです。

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匿名の届出について

2012年07月15日 · コメント(0) · 未分類

普通、市民は自分の住所、氏名、生年月日、職業、家族構成など個人の特定に関することは人に話したがらない傾向にあると思います。インターネットや携帯電話が急速に普及したころからは個人情報を保護するという概念も大変重要な問題となり社会全体が匿名性を帯びるようになってきたと思います。このような社会の中にあって、警察という組織は被疑者であれ被害者であれ、参考人(目撃者や協力者など)など警察と何らかの形で関わりを持った人物については貪欲なまでにその人物の人定事項(住所、氏名、生年月日、職業、連絡先等)を把握することに夢中になります。犯罪捜査をする機関ですから事件事故関係者を特定するのは当然なのです。しかし、犯罪事件には直接関係しないような警察官に対する苦情や要望、友人知人、隣人との出来事などはできることなら匿名で通報して処理してもらいたいと思う方もたくさんおります。ところが警察官という職業ではどうしても、何かの事件に発展した場合とか、出動してから処理を終了するまでの顛末を報告するとか様々な理由で、犯罪事件捜査に準じてどうしても通報者の人定を明らかにしておきたものなのです。また、本当に警察官の力を必要としている人であれば自分のことをまず名乗るはずだ、だから匿名通報をする人については特に即座に取り掛かる必要性がないものだ、と解釈してしまう心理が強く働くのです。匿名で警察署や交番の警察官に苦情、要望、地域がかかえる問題などを意見的に話しても何ら変化はないと思います。匿名では問題解決を図っても回答のしようがないため、事実の確認はするでしょうが具体的対策をとるというアクションには至らないのが現状だと思います。110番通報は匿名でも受理します。当然、あなたのお名前は?、住所は?、電話番号は?など聞かれますが、匿名にしても現に今事件事故が発生してる緊急の110番通報は受理し、現場に警察官を臨場される指令をします。だから悪戯の110番通報は絶対にしてはいけないものなのです。
話を匿名通報に戻して、基本的に匿名通報ではみなさんが望んだ結果を得る警察官の出動、要望意見の改善は期待できないと思います。
因みに匿名ではありませんが、警察法第79条の規定に基づいた都道府県公安委員会に対する苦情申出制度というものがありますが、こちらは必ず結果を出して回答の報告を受けることができます。(苦情の用件は限定されています)
そのほか管区警察局に対する苦情相談もできます。こちらの方が対応は適切な感じを受けます。気になる方はご連絡ください。

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ひき逃げ交通死亡事故の初動捜査遅れの原因究明

2012年07月14日 · コメント(0) · 未分類

群馬県太田市でひき逃げ死亡交通事故の疑いがある届け出を受けながら出動が約8時間遅れるという初歩的なミスがおきました。
報道発表を見る限りでは、届け出があった交番の勤務引き継ぎ時に、単なる放置自転車、として届け出内容を引き継ぎしたことと、何よりも、届出人の住所氏名を確認しなかったということを理由にしているようです。報道の見出しも「通報者の名前聞かず」と報じてます。群馬県警監察官室のコメントも「名前を聞いたり、住所を聞いたりすれば、その過程で届け出の内容もより詳しく聞くことになるはず」と初動捜査遅れの原因が通報者の人定確認をしなかったことによるものと方向付けしています。報道取材内容も「届け出をした男性は氏名を名乗らずに立ち去った」と何故か、どことなく氏名を告げないで交番に届け出た男性にも非がある内容で結ばれています。
みなさんはどのようにお考えになるでしょうか?私は届出人の人定確認など捜査の端緒(捜査を始める理由)の用件にもならないと思います。犯罪捜査規範第59条(端緒の把握の努力)で警察官は・・・・匿名の申告、風説その他広く社会の事象に注意するとともに・・・・と匿名申告であっても捜査の端緒を得ることに努めるよう規定されています。
今回のひき逃げ交通死亡事故の出動遅れの原因は、届出人の人定把握を怠ったことではありません。道路脇に壊れた自転車が倒れている、とういう状況を交番勤務の警察官が最初に聞いた時に、「事件事故に巻き込まれたのではないか?」という警察官としての危機意識が希薄だったことだと思います。このように私の意見を述べながらも、私はこの交番勤務の警察官を個人的に責めるつもりもないし、警察官としての資質を否定するつもりもありません。なぜなら警察全体の風土、体質として匿名通報に対する対応が極めて軽薄で、現場の一警察官の資質の問題ではないからです。
壊れた自転車が放置されている、カバンが投げ捨てられている、側溝に財布が捨てられていた、歩道に人が寝込んでいる、畑に大量の女性下着が捨てられている、道路に猫が轢かれてい死んでいる、隣の赤ちゃんが泣きやまないなど、交番には本当に様々な煩わしく、面倒で、中には警察管轄外の届出も沢山があります。それが交番の性質で交番の存在意義だと思います。しかしこれこそが私たちが日常生きている生活の舞台であり、ここが事件事故犯罪が発生している警察の第一線現場なのです。今例示した届け出も、もしかしたら何等かの犯罪による結果の表れかもしれません。届出を受けたら「どれ、まずは現場に行ってみますか」と立ち上げる姿勢が大切だと思います。もちろん届出人と人定を全く無視しろという趣旨ではないことを付け加えます。
ひき逃げ事故捜査での8時間の出動遅れはいうのは相当な出遅れです。
警察組織の匿名通報に対する取り組みなどは次のブログにしたいと思います。

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