2016年01月27日のエントリー

長野県軽井沢町のスキーバス転落事故

2016年01月27日 · コメントは受け付けていません。 · 未分類

連日報道されている長野県軽井沢町のスキーバス転落事故。
毎日、少しずつ長野県警による捜査結果や国交省による調査結果が報道されている。
当社佐々木も各種メディア等でその都度、解説等を行っている。
1月20日は共同通信社の取材を受け、翌21日の各種新聞でコメントが掲載された。
写真は2016年1月21日、宮城県の地方紙、河北新報朝刊である。
まだまだ情報が不足しており正確なコメントはできない部分がある。
この当社ホームページのコラムで、佐々木なりの見解(あくまで私見)を述べる。
国交省が公開した事故直前の映像を見る限り運転手の居眠り運転は否定される。
ギアはニュートラルの位置であったことが確認された捜査結果があるが、転落横転時にギアが戻った可能性もあるが、今のところ走行中に何等かの原因でギアがニュートラルになったとしても
私の実務経験からも納得できる。
ギアがニュートラルであれば、エンジンブレーキや排気ブレーキは使用できないためそれなりに安定した制動効果に何等かの影響は与えたと思う。
しかし同時に、ニュートラルであるとエンジンの動力がタイヤに伝達されないのでアクセルを踏み込んでもスピードが出せない。
実際転落横転250m前に映像に記録されているバスの挙動はエンジンブレーキがしっかり効いていない状況と矛盾しない。
ブレーキの機械的故障は確認されず、またフェード現象も発生した痕跡は確認されず、長野県警の発表によればフェード現象は否定されている。
ではブレーキを踏みながらも十分に減速できなかった理由はなんであろうか?
ここが私の私見である。
私が過去に扱った案件の中にも実際にブレーキで十分減速できずに発生した事故が3件ある。
いずれも自家用車の話である。
空き缶がブレーキの後ろに挟まりブレーキはある程度踏み込めるのだがしっかりと奥まで踏み込むことができず減速不能になり事故が発生した事例がある。
また、土足厳禁車が流行ったころ、運転席の足元に置いていた靴がいつの間にかブレーキペダルの後ろに挟まり、やはりブレーキを十分に踏み込むことができず事故が発生した事例がある。
どれもブレーキランプは点灯するのだが、ブレーキの効果が十分に発揮できない状況になった。
今回事故を起こしたスキーバスが必ずそうなったというものではない。
ただ、積雪地に向かうバスの、たとえば雪下ろしのためのブラシや、あるいは長靴など(ほかにも要因はあるかもしれないが)が、
曲がりくねった碓氷峠を走行中に運転手の知らない間にブレーキペダルの裏側に移動し、ブレーキを踏みこんでも減速できなかったという考えも
考慮すべき推定であると思う。
横転によりあれほど運転席回りが激しく損傷しているので、運転席回りにどのような物が存在していたかは今ではわからない。
一日も早い事件の解決と再発防止策を願う。
15名の尊い命を絶対に無駄にしてはいけない。
当社にできることをしっかり考えたい。

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長野県軽井沢町のスキーバス横転事故

2016年01月18日 · コメントは受け付けていません。 · 未分類

2016年1月15日午前1時55分ころ、長野県軽井沢町の国道18号碓氷バイパス入山峠付近の緩やかなカーブが続く道路で、スキーバスツアーの大型バスがセンターラインを越えて対向車線側のガードレールを突き破り、約3mしたの山林に転落、立木に衝突して横転停止する事故が発生した。
この事故は乗客乗員41名のうち、運転手2人を含む男性9人、女性5人の14名が死亡、27人が重傷を負う大参事となった。
当社佐々木は事故発生当日のフジテレビ直撃LIVEグッディのスタジオで事故の模様を解説した。
バス事業は過去の大事故を受けて様々な制度作りが行われてきたが、結局その制度が活かされていなかった。
制度が守られていなかった。
危険運転致死傷罪などの厳罰化法令などは、事件発生後に司法における刑罰として被害者の報復感情に報いるという側面の法整備と言えるが、
バス事業などを具体的に定めた道路運送法は、利用者が安全、安心に利用できるように事業主に課した事故被害の防止を目的にしたもので
その不履行は直接利用者の安全を脅かす重大な違反である。
フジテレビスタジオにいて現場中継と報道センターから送られてくる最新情報から
信じ難い現実が見えてきて驚いた。
今回のスキーバス横転事故は、事故直前のバスのスピードが現場の緩やかな下りカーブを走行するに際して、安全な速度を大幅に超過していたことは間違いないと思う。
当然であるが、車高の高いバスは同じ速度でも車高の低い乗用車と比べてカーブを走行中は車体が不安定になる。その安全速度を上回った原因は運転手死亡により不明である。
そして、事故現場は予め決められていた運行ルートと異なった道路で発生している。
なぜ運転手が決められたルートから外れて、わざわざ運転困難がカーブが続く現場の碓氷バイパスを走行したのか疑問である。
これに対しバス会社は、現場の運転手にある程度ルートは任せている、時間調整のため遠回りルートを選択する場合もあるという信じ難い回答をしていた。
通常、運行ルートの変更は、例えば予定していたルートが通行止めになっていたなどやむを得ない状況になった時、運行管理者に状況を報告し指示を受けた上で
行うもので、現場の運転手の勝手な判断で変更できるものではない。

運転手が碓氷バイパスルートさえ選択していなかったら、結果論であるが今回の事故は発生しなかったかもしれない。
ルールはみんなの安全のためにある。
プロとして、職業人として誠実に仕事をする企業倫理を思い返して欲しい。それが事故の未然防止手段ではないだろうか。
旅客運送事業に携わる方々は、人の命の重さを忘れずに事業を営んで欲しいと願った。
今後の県警のデジタルタコグラフ(運行記録表)や車体の解析捜査の進捗を見守りつつ、亡くなられた14名のご冥福とお怪我をされて皆様の一日も早い快復を祈りたいと思う。

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観光バスの車両火災事故の原因調査・真相報道バンキシャ

2016年01月10日 · コメントは受け付けていません。 · 未分類

今年の年末年始にかけて、観光バスの車両火災が相次いで発生した。
大勢の乗客がいるバス火災は一歩間違うと重大な人的被害を生む危険性がある。

日本テレビ・真相報道バンキシャ!においてバスの車両火災事故の原因調査に当社佐々木尋貴が立会い、解説を加えた。
観光バスにはテレビ、室内灯、冷蔵庫などの後付する電気設備が多く、また電気設備の数だけ電気を供給する配線が増える特徴がある。
(一般乗り合いバスでも、乗降用ボタンや料金表など電装品が多い)
後付け電気設備の配線は簡易な被覆処理(配線を覆うビニール製の一般的なもの)の状態のまま束ねられている。

このビニール製の被覆が走行中の振動、車内寒暖の繰り返しなど経年劣化により破損し、中の配線がむき出しになるとショートして火花が散り、燃えやすい付近の物に引火して
車両火災の原因になる確率が高くなる。

バスの利用者が具体的にできる予防策というものはない。
だから臭いや煙、蛍光灯のちらつきなど何等かの前兆を感じ取ったら速やかにバスの停止を運転手さんに呼びかけ、
避難することが大切になる。
一旦出火すると車にはガソリン、軽油、各種オイル、グリスなど可燃物が多く火の回りが早いことを認識しておこう。
車両撮影を快諾していただいた
東京都日野市上田 東新観光株式会社の皆様に御礼申し上げます。
車両点検状態、運転手の応対など大変素晴らしい会社でした。

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本年もよろしくお願いします

2016年01月01日 · コメントは受け付けていません。 · 未分類

株式会社日本交通事故調査機構です。
昨年中は多くの方のご協力を頂きありがとうございました。
おかげさまで刑事事件、民事事件の場で多くの報告書を提出させていただくことができ
裁判の中でそれぞれ大きな役割を果たすことができました。
ひとえに皆様のお力添えがあったからだと感謝申し上げます。
本年は昨年以上に努力を重ね、さらに資機材の充実をはかり交通事故で苦しむ被害者・加害者の力になれるよう
頑張りたいと思います。
本年もよろしくお願いいたします。

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