2016年02月12日のエントリー

鑑定人の真の姿勢を見る

2016年02月12日 · コメントは受け付けていません。 · 未分類

1月下旬、足利事件や東電OL事件、最近では鹿児島県で発生した強姦被告事件でいずれも逆転無罪判決の決め手となるDNA型鑑定を行った押田茂實日大名誉教授(法医学者)が来仙し、県内の弁護士6名を含めた懇親会に参加する貴重な機会をいただいた。
押田先生とは以前、真夏の炎天下、宮崎県内で発生した交通死亡事故鑑定を行った際に大変お世話になり、また東北大学法医学教室に在籍していた経歴から私が元宮城県警というご縁で、これまでも大変多くのことを学ばせていただいている。

2016年2月8日テレビ朝日系列放送、テレメンタリーで「DNA鑑定の闇、神話崩壊か・・・警察に証拠捏造疑惑」として鹿児島県で起きた少女強姦事件の控訴審で、逆転無罪判決の決めてになった押田先生が解説した。
押田先生の目は科学者として組織捜査の全てを見抜いている。
一点の虚偽も先生には見抜かれる。
私は押田先生とお会いする機会があるたびに、鑑定人としての資質、立場、方法を教えていただいている。
先生の一言ひとことが私には貴重な財産である。

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交通事故鑑定・調査の基本

2016年02月12日 · コメントは受け付けていません。 · 未分類

多くの交通事故裁判では、刑事裁判であれ民事裁判であれ、ほとんどの場合警察官が作成した「実況見分調書」から始まる。
検察官も弁護士も裁判官も、まずは事故直後に現場に臨場した警察官が作成した実況見分調書は正しく真正に作成されたものという前提から始まる。
検察官に対して捜査官(警察官)が作成した実況見分調書はおかしい、間違いがある、被害者としてそのような事故は経験していない被疑者・被告人として実況見分調書には納得できないなどと主張すると
検察官としては、絶対に実況見分調書は正しいという主張を徹底して貫こうとする。
民事裁判では実況見分調書が自己に有利であれば、実況見分調書は正しい、実況見分調書が誤りであれば誤りを主張する側が交通事故の全容を証明すべきだなどの論争になる。
写真は河北新聞朝刊を抜粋したものだ。
実際に、実況見分調書の事故現場が被害者の主張と食い違う、警察官が被害者を実況見分調書に立ち会わせなかった点にも問題点を指摘している。
私も現職中から、通常は被害者を実況見分に立ち会わせる必要性がある事故処理はない。
しかし、被疑者、被害者の言い分が食い違うような場合にはやはり被害者を立ち会わせるなど慎重な捜査が望まれる。

さらに本年2月11日、河北新報朝刊では、交通事故捜査係の警察官が交通事故調書を改ざんした「虚偽有印公文書作成・同行使」で巡査が書類送検された記事を報道している。
警察官は事故処理が複雑になるのを避ける目的で司法書類を改ざんしている実態がある。
これらは宮城県警という限られた警察署特有のものではない。
過去にも、警察官が事件処理を省略させることを目的に虚偽の公文書を作成した事例がたくさんある。
交通事故鑑定・調査の基本は実況見分調書に限らず、司法書類に疑いの目を向けなくてはいけないと、最近は特に感じている。
それは法曹三者間であっても真実・真相究明のために絶対正しいという概念は払しょくすることから始まるべきだと思う。
交通事故証書改ざんの報道に対して、マスコミ3社から取材・意見を求められての感想である。
警察官が公文書虚偽作成をしたくなる理由を究明したくなることはよくわかる。
しかし、私がこれまで全国の交通事故被害者、ご遺族、加害者(被告)と接してきて
本当に多くの交通事故関係者が「実況見分調書は絶対におかしい」と訴えているのに、ほとんど訴えの根拠となる合理的証拠は証拠採用されないまま事件が終結し
涙を流している実態がある。
警察官の公文書虚偽作成事件が発生する度に、私に必死に訴え続けている交通事故当事者の怒りの理由がよく理解できる。
私は交通事故鑑定・調査の基本として、真正に作成された司法書類が、真実に基づいているかを疑問視するところから始めようと考えている。
司法書類を読み取れる私だからこそできることだとも考えている。

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店舗に車が突っ込む交通事故が多発

2016年02月04日 · コメントは受け付けていません。 · 未分類

2月1日、静岡県藤枝市の薬局店舗に暴走車が突っ込み女性1名が亡くなる死亡事故が発生した。
この日は愛知県のコンビニローソンにも車が突っ込む事故が発生しており、また北海道でも店舗に乗用車が突っ込む事故が発生している。
そして2月3日は新潟県上越市のコンビニに軽自動車が突っ込む事故が発生した。
原因はさまざまで、事故の現場ごとにある。
私が注目したいのは新潟県上越市のコンビニに軽自動車が突っ込んだ事件である。
事故原因についての運転手の説明は
「かばんがしたに落ちてブレーキの下のところにカバンが入ったので、ブレーキが完全にきかないから突っ込んだ」
という事実である。
実際にブレーキの下に物が挟まりブレーキを十分に踏み込めないで発生する事故というものが起きている。
この点については、長野県軽井沢町のスキーバス事故でバスが十分に速度を落とせなかった大きな理由として1月27日当社コラムで想定している事案である。
ブレーキ系統に故障が見られず、フェード現象の痕跡もない。しかし映像上ブレーキを踏んでいることが確認されいるにもかかわらず
バスが十分に速度を落とせない状況が発生する要因として
ブレーキペダルの裏側に何等かの物が挟まるという状況は具体性がある要因の一つである。

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交通死亡事故の無罪事件

2016年02月02日 · コメントは受け付けていません。 · 未分類

2016年1月7日、あわら市で74歳の女性を自動車ではねて死亡させた自動車運転過失致死被告事件について福井地方裁判所は車を運転していた85歳の男性に無罪の判決を言い渡した。
これを受けて福井地方検察庁は一審福井地裁の判決を覆すことが難しいとして控訴を断念し、男性の無罪が確定した。
85歳男性は2014年5月、あわら市の農道で近くにすむ74歳の女性を車で跳ねて死亡させ自動車運転過失致死の罪で起訴された。
一審福井地方裁判所は2016年1月7日、「男性が車で跳ねたと認定するには、なお合理的な疑いが残ると言わざるを得ない」として男性に無罪の判決を言い渡した。
男性被告の弁護人は「起訴すべき事案ではなかった」旨を述べている。
大切な判断であると感じる。

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