交通取締りの誤り発覚、富山県警高速隊

2014年06月06日 · 未分類

富山県警は6月3日、能越自動車道の一部区間で2003年5月から約6年間、追い越し車線を走行していた車両を誤って取り前伊、36人を道交法違反(車両通行帯違反)として検挙、切符処理していたと発表した。
富山県警は全員に反則金を還付し、違反点数の抹消を行うことにした。

一方、2009年10月には、誤摘発に気付いた富山県警高速隊が反則金を還付していたことも判明しており、既に誤摘発に気付いていたにも関わらず本年6月まで放置したままにしていた疑いもある。
富山県警によると、埼玉県警で5月に同様の誤摘発が発覚したことを受けて調査を実施したところ、今回の誤摘発が発覚した。

道路交通法では、都道府県公安委員会が「車両通行帯」を指定すると、車両は原則左側車線を走行しなければならず、追い越し以外の目的で右側車線を走行し続けると、車両通行帯違反として普通車では反則金6000円、点数1点の違反となる。
能越自動車道の小矢部ジャンクションと高岡インターチェンジの12.7キロは2003年5月に車両通行帯の指定が解除され違反の対象にならない。

富山県警では6月3日の会見で「車両通行帯に指定されていないことは知らなかった」として手続き上のミスだったことを強調した。
しかし、同会見では2009年10月、高速隊が車両通行帯違反で取締りを行った際、車両通行帯に指定されていないことに気付き、反則金を還付していたことも明らかにした。
この時は、過去のの誤摘発についての調査をしなかった。また、2009年10月以降、同区間では車両通行帯違反で検挙した例はないとしている。

取締り業務に従事していた私の経験では、2009年10月に誤摘発に気付き反則金を還付する手続きを行った段階で、高速隊として車両通行帯の指定がないことを認識していたはずであり、また少なくても過去に検挙した経験のある隊員は
自分の告知が誤摘発であったことを十分認識していたはずである。
報道発表によれば、「ある警察関係者」は、普通に考えれば2009年10月に誤摘発に気付いていたなら、高速隊として車両通行帯の指定がないことを認識していたはず」と私と同様の見解を述べているようだ。
つまり、2009年当時の高速隊が、それより以前に摘発していた過去の誤摘発について認識しながら2014年6月まで放置していた、いわゆる「見て見ぬふりをしていた」可能性が疑われる。
それでも、相当遅れてしまったが誤りに気付いて適正に戻そうとしている姿勢は評価されると思う。
厳しく反省すべきは、誤りに気付いていたのに申し出をしなかった歴代の隊員である。

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