日本自動車研究所での交通費事故調査

2016年06月06日 · 未分類

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交通事故鑑定では摩擦係数や制動力、空走時間など小数点の極小さな数値が多様される。
そしてその数値が鑑定結果に大きな影響を及ぼしている。

多くの数値は過去に研究、実験されどれも公的信用性がある値である。
あとは鑑定人や捜査員がその数値の用い方に誤りがないかの問題である。

しかし同じ数値が問題にされる場合でも、自動車固有のデータが曖昧になる。
曖昧にでも分かる手掛かりがあるならおおよその推定論は述べられる。
ところが曖昧にもわからない場合、確認するしかない。

当社ではこれまでにも筑波サーキットやスポーツランド菅生の施設を借りて必要な実験を行っており、そのデータをもとに鑑定書を仕上げてきた。

6月5日は自動車研究の中枢、一般社団法人日本自動車研究所城里テストコースで、多くの方の協力をいただき夜間高速実験を行った。
180km/hを超える車の中で何が起こり、車体にはどんな変化が現れ、変速機はどのように推移するのか等々、データ収集を行った。

その結果判明した事実に驚かされる。

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交通事故調査会社として日々裁判に関わりを持っているが、交通事故鑑定の殆どが「理論値」である。
そして工学鑑定の分野ほど数値定量化された理論値であたかも真実が解明されたごとく結論付けられている。

ところが実験をしてみると何度繰り返しても理論値とは全く異なるデータが得られる部分が見えてくる。
そしてその部分が鑑定結論、事件の真相に直結している重要な部分であったりする。

理論はやはり現実とのずれがあり、そのずれの中で発生している事故もたくさんあることを見逃してはならない。

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