全警察官に聞いて欲しい

2017年04月13日 · 未分類

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3月、4月は忙しくたくさんコラムを書きたい出来事はあったのですがオーバーワークになっています。

今日も本当は書類を書きたいと思っていましたが、
東日本大震災の時、宮城県警を指揮した方の大変貴重な方のお話を聞く機会の招待を受け東京八丁堀に来ました。

組織を管理する立場にあった方の思いを直接聞くことができました。

美話にはなりません。
しかしご遺体をご遺族に引き渡す時の思い。

これは本当に頷きました。

できれば震災だけではない。
あらゆる犯罪事件事故に対しても被害者や加害者、事件関係者の気持ちをしっかり考えて欲しいと思いました。

とってもいい話しでした。

2011.3.11東日本大震災。

当社佐々木は2011.2.28付けで宮城県警を辞職し現在の会社基礎や方向性を考え始めました。

だから震災警備にあたった警察官の苦労はわかりません。きっと私が現職中に経験した災害警備の想像をはるかに超えた苦労だと思います。落ち着いたとはいえ今も続いています。

辞職を考え始めた頃から直前まで、そして辞職後も数週間、相談に乗ってくれていた仲間の警察官が震災の犠牲となり殉職しました。
佐々木にとっての震災はそのことが1番悲しい出来事です。
制服を着た眩しい笑顔が脳裏に浮かびます。

昨夜、東京八丁堀の一角で、東日本大震災のまさにその時、宮城県警察本部長の職にあり、震災警備の陣頭指揮をとった竹中直人氏の講演を拝聴しました。
(佐々木は彼から辞職承認の辞令を受け取った経緯もあり、現職中は一度も話すことができない、階級組織では頂点の方ですが身近な存在に思えます。)
20名程の少人数の集まりで、顔が見え素晴らしい会でした。

竹中氏は反省と教訓を後輩の警察管理職にある方々に伝えております。

惨状に奔走する警備本部の様子や捜索という名の実質的なご遺体回収の苦しみ、所在確認不明者家族への労り、奇跡的な生還者発見の喜びなど、警察魂の本質を分かりやすく丁寧に話されました。

組織の最高管理者として、多くの殉職者を出してしまった辛さははかり知れません。殉職者の話しでは、声をつまらせ言葉にならなかったように私には感じました。

僕ら任務は辛さや苦しみの中で待っているご遺族のためにご遺体を1日も早くお戻しするんだという思いに支えられていました。

よく分かります。
震災はきっと竹中氏の人生観を大きく変えたのかもしれません。

最後に10分ほど向かい合いお話しする機会がありました。

警察官当時、被疑者、犯人検挙が最大使命と命じられ、その職に疑いもなく誇りをもっていました。

多くの遺体に対面し被害者やご遺体にどう向き合って職を全うするかなど皆無ではないものの、考えることがありませんでした。

震災だけではなく、全ての犯罪事件事故の被害者やご遺族に警察官が目を向け親切に応対し説明することが大切だし、今はそれが欠けていると思います、と生意気にも意見をしてしまいました。

もちろん警察の本命は被疑者の検挙だという考えは今も変わりありません。

ありがとうございました。

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