ひき逃げ交通死亡事故の初動捜査遅れの原因究明

2012年07月14日 · 未分類

群馬県太田市でひき逃げ死亡交通事故の疑いがある届け出を受けながら出動が約8時間遅れるという初歩的なミスがおきました。
報道発表を見る限りでは、届け出があった交番の勤務引き継ぎ時に、単なる放置自転車、として届け出内容を引き継ぎしたことと、何よりも、届出人の住所氏名を確認しなかったということを理由にしているようです。報道の見出しも「通報者の名前聞かず」と報じてます。群馬県警監察官室のコメントも「名前を聞いたり、住所を聞いたりすれば、その過程で届け出の内容もより詳しく聞くことになるはず」と初動捜査遅れの原因が通報者の人定確認をしなかったことによるものと方向付けしています。報道取材内容も「届け出をした男性は氏名を名乗らずに立ち去った」と何故か、どことなく氏名を告げないで交番に届け出た男性にも非がある内容で結ばれています。
みなさんはどのようにお考えになるでしょうか?私は届出人の人定確認など捜査の端緒(捜査を始める理由)の用件にもならないと思います。犯罪捜査規範第59条(端緒の把握の努力)で警察官は・・・・匿名の申告、風説その他広く社会の事象に注意するとともに・・・・と匿名申告であっても捜査の端緒を得ることに努めるよう規定されています。
今回のひき逃げ交通死亡事故の出動遅れの原因は、届出人の人定把握を怠ったことではありません。道路脇に壊れた自転車が倒れている、とういう状況を交番勤務の警察官が最初に聞いた時に、「事件事故に巻き込まれたのではないか?」という警察官としての危機意識が希薄だったことだと思います。このように私の意見を述べながらも、私はこの交番勤務の警察官を個人的に責めるつもりもないし、警察官としての資質を否定するつもりもありません。なぜなら警察全体の風土、体質として匿名通報に対する対応が極めて軽薄で、現場の一警察官の資質の問題ではないからです。
壊れた自転車が放置されている、カバンが投げ捨てられている、側溝に財布が捨てられていた、歩道に人が寝込んでいる、畑に大量の女性下着が捨てられている、道路に猫が轢かれてい死んでいる、隣の赤ちゃんが泣きやまないなど、交番には本当に様々な煩わしく、面倒で、中には警察管轄外の届出も沢山があります。それが交番の性質で交番の存在意義だと思います。しかしこれこそが私たちが日常生きている生活の舞台であり、ここが事件事故犯罪が発生している警察の第一線現場なのです。今例示した届け出も、もしかしたら何等かの犯罪による結果の表れかもしれません。届出を受けたら「どれ、まずは現場に行ってみますか」と立ち上げる姿勢が大切だと思います。もちろん届出人と人定を全く無視しろという趣旨ではないことを付け加えます。
ひき逃げ事故捜査での8時間の出動遅れはいうのは相当な出遅れです。
警察組織の匿名通報に対する取り組みなどは次のブログにしたいと思います。

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