交通違反もみ消し疑惑

2012年12月28日 · 未分類

私は白バイ乗務を始め交通指導取締業務に就いていた経歴があり、その経歴を知っている方から時折「同僚とか友人知人の時は交通違反をもみ消したり、見て見ぬふりをするっていうのは本当ですか?」という質問を受けることがあります。基本的にはそのようなことはありません。基本的にとは?簡単に言ってしまえばやってやれないことはないし、その方法だって全く難しいことはありまえん。しかし、もみ消したことが生涯秘密として保たれるかというと、秘密というものは必ずバレルというのが組織人として体得した私の感想で、秘密がバレてしまった時には職を失う厳しい処分があります。だから私の場合は例え友人知人、身内、同僚であっても他人をほんの少しばかり面倒をみてあげたが故に、自分が失職するのではたまりませんので全くもみ消しには耳を傾けませんでした。
さて、12月28日の各社新聞報道では静岡県警袋井警察署の交通指導取締係に勤務する50代男性警部補が、同僚警察官の25キロ超過速度違反をもみ消したとして犯人隠避、証拠隠滅の疑いで書類送検され、停職1か月の懲戒処分を受けた末に同日付けで依願退職したということです。警部補は「同じ署員だったから切符を切らなかった、2か月過ぎても表ざたにならなかったので速度測定記録書をシュレッダーにかけて破棄した。」と動機を語っています。交通違反もみ消しなど簡単にやってやれないこともない行為で現場の警察官次第ということを物語っています。袋井署の事案を事例にすれば、交通違反のもみ消しは疑惑ではなく、現実という結論になります。この事案が発覚した理由は県警監察課に匿名の投書があったことから判明したようですが、私が言う組織内において秘密は破られるということの実態です。
それにしてもみ消してもらった同僚警察官に対しては「自分からもみ消しを依頼した事実はなかった。」つまりもみ消した警部補が勝手にもみ消したという理由で本部長注意で終わりました。警察官の資質として公僕に就く身では許されないと思います。もみ消された事実を一番よく知っているのは同僚警察官本人なのですから、自分から組織構造に関して問題提起すべきだったと思います。結局はもみ消してもらって助かった、よかったという考えでしかなかったのだと思います。
この同僚警察官は今年11月18日に反則金18000円を切符処理を受け反則金も即日納付したという報道もありますが、果たして速度測定記録書が既にシュレッダーにより破棄されて唯一の証拠がないのにどのように速度違反を立証して切符処理したのかも疑問です。本当に違反超過速度が25キロだったのか?30キロ超過ではなかったのか?違反時間はどうやって特定したのか?など極めて曖昧不明です。一見当然のように思いますが、唯一の物証がない状態で違反から約1年経過した後でも切符作成が可能ということになります。報道発表を信用するしかありませんが、このような悪質な案件が切符処理という簡易な方法で落着するのであれば、結局、違反もみ消しも、違反の捏造も物証に基づかずに簡単にできるという結論になります。
報道関係者もことの顛末に関心をもって取材質問をして欲しいと思います。
袋井警察署、以前取り扱った事故で何度か伺ったことがある警察署でした。信頼回復に向けて頑張って欲しいと思います。

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