交通事故捜査活動の思い込み

2013年10月18日 · 未分類

交通事故が発生すると普通は110番通報や119番通報をして警察と怪我人がいれば救急隊の臨場を要請します。
これは絶対に欠かすことができない手続きです。

さて、交通事故の現場臨場要請を受けた警察官の立場で話を進めてみたいと思います。
普通は、無線指令でどんな交通事故であるかとか怪我人の状態を事前に知ることができます。
事故処理をする警察官が一番最初に交通事故のイメージが付けられる瞬間です。
どんなに理性的な警察官であっても、イメージを打ち消すことはできずいろいろな想定を思い浮かべながら現場に向かいます。

10月16日、島根県警益田警察署管内で発生した多重衝突事故で死亡した女性が、2時間半も車内に放置されていたことが判明しました。
車5台による玉突き事故が発生し、警察と消防は一通りの事故処理と救助活動を終えました。
それから約2時間半後、軽自動車の後部座席に乗っていた74歳女性が、倒れていた後部座席の足元部分に放置されたままになっているところを
発見され、病院に搬送されたが、その後死亡が確認されました。

死亡した女性を発見したのは、亡くなった女性の家族ということです。
益田警察署と益田市消防本部の幹部が遺族のもとを訪れて謝罪しているが
お粗末であったことは否定できません。

このような案件は時々全国で発生しています。
現場に臨場した警察官は、交通事故処理するにあたり直接運転捜査に影響しない
後部座席の状態を確認するという意識は低いのです。
同様に、交通事故で臨場した警察官はよほどのことがないかぎり
事故車のトランクを開けて中を確認するということはしません。

こうして時折、トランクから犯罪物件が後から発見されたり、今回のように後部座席下に倒れていた
被害者に気付かず事故処理が終了してしまう状況が起こるのです。

交通事故捜査に警察官の最初に思い描いたイメージを
事故現場で払拭するには客観的事実に忠実でなければならないのですが
人である以上、なかなか難しいことかもしれません。

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