交通違反検挙件数と実績主義

2015年12月04日 · 未分類

交通違反切符の捏造事件。これもたびたび聞くことだ。
今回は北海道警森警察署で発生した。

最近は違反などした記憶がないのに、平成27年10月21日、渡島管内森町に居住する47歳女性のもとに函館運転免許試験場から違反者講習通知書が郵送されてきた。
通知書には身に覚えのないシートベルト違反により累積点数が6点に達したという内容である。

しかし女性には全く身に覚えのない交通違反である。
女性は翌日森警察署に赴き事情を説明。
警察官に見せられた違反を自認した証の署名は明らかに自筆の署名ではない。
指紋も採取され、捜査が開始された。

約10日後、ようやく違反をしていないという事実を警察官から告げられた。

しかしその時の警察官の対応はなお警察不信を強める結果になる。
警察署幹部警察官は、この事実を外部に漏らさず内密にして欲しいと申し入れをする。

このような体質がまだまだ警察には残っているのだろう。

ところで何故警察官はこのような必ず発覚するはずの違反捏造を行うのだろう?
やはり実績を求められるからである。

警察は取締り機関であるから、当然取締りをしない警察官よりも多く取締りをした者が優秀とされる。
表彰機会も取締りをした警察官は圧倒的に多い。

しかし取締りをしたからと言って、極端に昇任試験が有利になるわけでもなく給与、賞与に大きく違いが出るわけではない。
それでも組織で働く者としては、一時の間であっても上司に褒められたい、認められたいと思うし、自慢もしたくなる。
また取締り実績不振であれば上司から検挙実績を上げるよう指導を受ける。

こんな単純な理由で市民が不愉快な思いをする捏造事件の犠牲になっている。

信頼を得る道のりはまだ遠いと感じた。

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佐賀県唐津での交通事故調査

2015年11月24日 · 未分類

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先日、佐賀県唐津市での交通事故調査に赴いた。佐賀県は3件目の事故調査となる。
いろいろ思い出すことがあった。

仙台と佐賀の距離があるのに、とても他人事ではいられないものがある。
偶然だろうか、全異なるく地域で歩んできたそれぞれの人生なのに
故人は私の高校の後輩の知人。

その高校の後輩も3年前にたまたま再会した。
それがこうして自分で事故調査を行うことになった。

もっと早くから取り掛かっていたかったというのが今の率直な感想。

交通事故の当事者になって悩んだら、取りあえず連絡して欲しい。
私一人で全てを解決することなどできないが、私の多くの人脈が資産である。

交通事故で苦しむ方々のためにその資産を最大限に活かして対応したいと思う。
もちろんその方々も、そのつもりである。

たった一人の偏見で事件の筋道をたて処理しようとする愚かな道に迷いこまないで欲しい。

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砂川警察署警察官、二日酔い飲酒運転

2015年11月10日 · 未分類

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今年6月、北海道砂川市で飲酒運転による一家5人が死傷する交通事故があったことはまだ記憶に新しい。
この事件は砂川市を一躍悪い印象で全国に知れ渡った。
当社佐々木も6月10日、TBSテレイビ「ひるおび」で事件の解説をしたばかりだ。125

この事件を管轄し処理したのは北海道警砂川警察署である。
あらゆる法令を駆使し、緻密な捜査を積み上げて事件を解決した。私は本当に道警はよく頑張ったと感心していた。
これで少しでもご遺族の気持ちに捜査側が応えることができたと感じていた。

しかしその砂川警察署に勤務する50代巡査部長が11月1日の朝、自家用車で二日酔い状態の飲酒運転で出勤し検挙されたニュースが流れた。(写真上、TBS系JNNより)
調べに対し、巡査部長は前日の夜から翌午前2時ころまで、同僚警察官と居酒屋で約8時間にわたり飲酒し、一旦帰宅した。

巡査部長は出勤する際に自家用車で勤務先の砂川警察署へ行ったが、同僚が酒の臭いに気付き呼気検査を行った。
その結果は基準を超えるアルコールが検出された。

巡査部長は飲酒運転事実を認め、道警は近く巡査部長を書類送検する方針である。

情けない、恥ずかしい、もう最悪
砂川市民のコメントが報じられている。

全くである。

砂川市では6月の事故を受け街全体をあげて飲酒運転撲滅に取り組んでいる、まさにその最中の出来事である。
しかもそれが現職の警察官であるから市民の怒りは当然である。

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多発傾向が続く高齢者の重大交通事故

2015年11月05日 · 未分類

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10月28日、宮崎駅前で73歳男性が運転する軽自動車が歩道を約700m暴走し、女性二人が死亡、男女4名が重軽傷を負った高齢者による交通事故の記憶もまだ冷めやまぬうちに、10月31日、今度は愛知県で76歳男性が運転する乗用車が和菓子店に突っ込む事故が発生した。

この事故で和菓子店内にいた男性3人、女性4人が重軽傷を負った。

当社佐々木がテレビ朝日ワイドスクランブルで高齢者の事故の特徴について解説した。

76歳の男性は店舗前に駐車していた車に乗車して発信する際に、ブレーキとアクセルを踏み間違えたと話している。
ブレーキとアクセルの踏み間違え事故はよく聞く事故の形態である。

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私の会社でも何件か取扱っている事故形態である。
しかし、幸いいずれも軽微な物損事故で済んでいる。

それは仮にブレーキを踏むべきところを誤ってアクセルペダルを踏んだ場合でも、ほとんどの方は車が動き出した直後に
異常に気付き、すぐに間違いを修正して適正にブレーキを踏みなおすことができているからである。

すぐに運転操作の間違いに気づき修正する能力が高齢者になるほど衰えるため、
間違ってアクセルを踏んでしまうと、どんどん車は加速する。すると高齢者はなおさら瞬時の対応ができずに大事故を起こしてしまう。

車の操作とは、認知、判断、操作の繰り返しである。
しかもそれを刻一刻と変化する交通環境の中で、高速度で移動中に行わなければならない。

ところが認知、判断、操作という複数のことを瞬時に、一度に行う作業というのもは、高齢者は大変苦手としている。
高齢者に限らず、人は複数のことを一度に行うと間違いを犯しやすくなる。高齢者はなおさらである。

超高齢化社会を迎える日本がかかえる交通問題である。

認知症患者。
彼らは「今現在の世界」を正常に生きている。
30分前、1時間前の「過去の世界」という概念がない。彼らには近い時間の過去は存在しないのである。

もしかすると事故を起こして30分も経過して警察による事故捜査が始まるころには、すでに自分が起こした事故のことをも
消失しているかもしれない。

現状制度のまま推移すれば、そういった出来事が必ず発生することが予想される。
彼らにどんなに厳しい刑罰を与えたとしても、何の効果もない。

苦しむのは被害者とその家族や近親者、加害者とその家族や近親者などで
事故を起こした当の本人は、いたって平和な時間を過ごすのである。

超高齢化社会を迎えるにあたり、喫緊の課題として取り組まなければいけない交通社会問題である。

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交通死亡事故発生件数の過少発表、千葉県警

2015年10月31日 · 未分類

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10月30日、千葉県警で交通死亡事故の発生件数を実際よりも過少発表していた問題が発覚した。

何故そんなことをするのか?
過少発表する具対的メリットは何か?

テレビ朝日「報道ステーション」の取材に応えた。

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言うまでもなく警察の存在意義はやはり発生した犯罪の犯人検挙である。
しかしその一方では犯罪を未然に防止する職責がある。

交通警察部門の活動重点最大目的は交通事故の防止、とりわけ国の政策として実施されている死亡事故の防止である。

この死亡事故抑止活動実態のバロメーターが、死亡事故発生件数の数値化されたデータである。

全国都道府県の死亡事故発生件数を統計化したとき、死亡事故発生件数が他よりも多かったり、毎年発生件数が上位にあると、評価として(評価する人が誰であるかはさておき)、そこの都道府県警察せは適切な交通死亡事故抑止活動の取り組みがされていないとされる。

やはり評価を受ける側とすれば少しでもいい評価を得たい。
我が県警では効果的な取締り、啓発活動を推進した結果、実際に死亡事故を減少させているのだと訴えたい。

警察活動の多くは数値化できないもの、数値化した統計値が馴染まない分野が実は大変多い。
それをあたかも治安のバロメーターとして警察活動を評価する考え方が生まれこんな事件に発展するのである。

まだまだ出てくる案件である。

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宮崎駅前の歩道暴走事故

2015年10月31日 · 未分類

10月28日、宮崎県JR宮崎駅前で73歳男性が運転する軽自動車が歩道を暴走し、女性2名が死亡、男女4名が重軽傷を負う極めて異常な暴走事故が発生した。

10月29日、この事件について当社佐々木がTBSテレビ「ひるおび」で解説した。

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佐々木の基本的考えは、人は間違いを犯す、だから間違って歩道に進入することは想定される。しかし間違いに気付いたら止まって修正するのが人である。

73歳男性は大通りの車道から歩道に誤って進入したら、明らかに周辺の交通環境の違いを認識し間違いに気付いたはずで、最初に停止する機会があった。
しかし彼は運転を継続する。

何故?
最初の疑問である。

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歩道を走行中に人に衝突し自転車を巻き込む事故を起こした時にも止まる機会があった。
その衝撃に普通は止まる。
しかし彼は運転を継続する。

何故?
ここでも疑問が湧く。

歩道の所々にある車止めをかわして、歩道の左側を運転している。
その間の歩道走行中、ブレーキランプが点灯する映像も残されており、アクセルとブレーキを踏み分けハンドルを調整して運転操作をしている。
実際、途中で停止もしている。
なのに何故、運転を再開させたのか?

約700mも歩道を運転しているのに何故、最後は歩道右側のコンクリートベンチに衝突し車を暴走させる状態になったのか?

たくさんの疑問がある。

車の運転とは、認知、判断、操作の繰り返しと言われる。

男性の運転は歩道と車道の交通環境を認知する能力が欠け、危険を判断する能力にも欠け、ブレーキをかけ停止する適切な運転操作もできない状態に陥っている。

時代の変化の中で超高齢化社会が進み、従来は徒歩で徘徊し歩き回っていた認知症患者が、車での徘徊に変わってくるとその危険性は自己の生命の危険に加え、多数の生命の安全を脅かす凶器に変貌する。

社会全体で考えることである。

他方、歩道、横断歩道は歩行者の絶対安全が無条件に確保されなければいけない場所である。
道路整備のハード面で物理的に車両の進入を阻止して歩行者の絶対安全を確保し、歩車分離信号など構造的に安全を確保する取り組みは喫緊の課題だと思う。

お亡くなりになられた方のご冥福とお怪我をなされた方の1日も早い快復をお祈りいたします。

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警察官の情報漏洩事件

2015年10月14日 · 未分類

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10月14日、交際中の女性に逮捕状が出ているという捜査情報を漏えいしたとして、宮崎県県警の警察官が逮捕された。
逮捕されたのは宮崎県警組織犯罪対策課の35歳男性巡査部長。

巡査部長は昨年8月下旬、交際中の女性に対し、違法薬物を所持しているとして逮捕状が出ていることを伝え、逃亡させた犯人隠避の
疑いで逮捕された。

このような事件も時々発生している。
2006年には私の古巣である宮城県警でも、巡査部長が捜査を通じて親密な関係になった女性に対し
警察捜査資料を複写して手渡したとして逮捕されている。

当時、私の先輩警察官だったので衝撃を受けた。

何故、このように繰り返されるのか
ワイドスクランブルで検証していた。

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無効な交通取締りがまた発生

2015年10月06日 · 未分類

このコラムの中でも度々、無効な標識による取締りが繰り返されている現状を述べてきている。また、これからもまだまだこの問題は続いていくことも指摘している。
確か最近では9月7日のコラムで、無効な一時停止標識による取締りを紹介したばかりだ。
その都度、警察の責任ある方々は再発防止ということをコメントしている。

それから約1カ月、和歌山県警でも無効な標識による取締りが発覚した。
もちろん県警では取締りをした4件の事案に関して反則金の還付や行政処分の抹消を行う。

誤った取締りが行われていたのは御坊市湯川町財部にある市道と国道が交わる交差点。
直進可能な交差点について直進した車両の取締りを行っていたというもの。

単純な規制担当者の人為的ミスである。
規制標識に基づく誤検挙はこの人為的ミスである。

全国一斉に徹底した見直しをすればいいのにと感じるが、それができないのが組織の不思議なところである。
和歌山県警交通企画課次席は「こうした事例を繰り返さないように努めたい」とコメントしている。

他山の石というものを自覚していなかったことが明らかだと思う。

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交通事故実況見分調書の問題性について

2015年09月30日 · 未分類

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シルバーウイーク中の9月22日、愛知県名古屋市のういんく愛知においてNPO法人交通事故と労災をサポートする会日本の名古屋支部が主催する
講習会、勉強会が開催された。

会場には交通事故に関心がある一般市民や、交通事故の裁判に直接かかわっている弁護士など約300名が集まった。
当社佐々木は、刑事司法の一環として作成された実況見分調書が、民事訴訟の場で最有力、重要証拠として用いられている

現状の民事裁判について、被害者側の視点がほとんど取り込まれてなく、被害者が極めて不利な立場になる危険性を
具体的事例をあげながら説明した。

おりしも現在当社は上信越地方で発生した物損交通事故裁判に関わっているが、
当社鑑定書に対する反論意見(準備書面)を作成した相手方弁護士の交通事故に関する知識の無さを痛感している。

本当に交通事故民事裁判というものは、交通事故に疎い法曹関係者や保険会社調査員、警察捜査を知らない鑑定人が
司法書類として作成された実況見分調書を巡って議論している。これでは真実に基づいた裁判が進行しないのも当然と言える。

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無効な交通取り締まりの続発

2015年09月17日 · 未分類

9月11日、香川県警は香川県公安委員会に申請しない交差点で原付バイクの二段階右折を検挙し続け、全員の違反取消と反則金の還付を決めた。

高松市など香川県内の交差点で、今年2段階右折をしなかった原付バイク30人が検挙されていた。
香川県警察本部によると、今年1月23日から9月1日にかけて高松、坂出、善通寺の3つの市の併せて8か所の交差点で2段階右折しなかった原付バイク30台の取締りを実施した。

検挙された女性の家族から問い合わせを受けて調べたところ、3つの交差点は香川県公安委員会に2段階右折指定の申請をしていなかったため取締りの前提となる車両通行帯に指定されていなかった。

香川県警は30人全員の違反取消しと1人あたり6000円の反則金を還付する。
香川県警交通指導課は「警察官への教育を徹底し再発防止に努めたい」と話している。

しかし、先日は静岡県警で一時停止標識の申請漏れがあったばかりで、これまでにも何度も
申請漏れによる不適切な取締りが行われているのに、なぜ現在も同様の不祥事が続発するのだろう?

必ずまた発生する。

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