警察官の飲酒運転交通事故

2014年03月22日 · 未分類

3月は仕事に追われてなかなかブログの更新ができずにいます。
今日は取り組んでいる仕事が一段落したので久々に更新したいと思います。

私は交通事故調査の仕事がメインですが、どうしても元警察官であったため、警察官の不祥事ニュースに関心がいってしまいます。

1件目は3月16日発表の警察官飲酒運転のニュースです。
北海道帯広署は同署地域課勤務の警部補を酒気帯び運転の道路交通法違反で逮捕しました。
逮捕容疑は、3月15日午後8時55分ころ、自宅で午後4時ころから午後8ころまで焼酎の水割りなどを飲んだあと、自家用車を運転して入浴施設に向かう途中
交差点を右折する際に、直進してきた対向車と衝突する交通事故を起こしました。

このようなニュースは本当に残念です。
飲酒運転防止は最終的には個人の自覚以外に防止策はないと思います。
法令や内部規則をどれほど厳格にしても、最終的には個人の自覚に頼らざるを得ません。

道警監察官は「飲酒運転の根絶に取り組んでいる中で職員が逮捕されたことは誠に遺憾。事実関係を調査し、厳正に対処する」というコメントを残しています。
もう、つまらあない言い訳などできる状況にないことがわかります。

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警察の捜査・第一次捜査権

2014年03月15日 · 未分類

警察官は事件事故が発生すると真っ先に現場に急行し、初動捜査から犯人を検挙し事件を検察庁に送致するまでの初期捜査を担っている。そのため警察の捜査は第一次捜査権と呼ばれている。
そして犯罪事件現場の処理については第一次捜査権を有する警察に全ての裁量権が委ねられている。

これは警察が犯罪事件事故を選べることも意味する。
交通事故は日々発生し、必ず処理しなければならず普通は処理する交通事故を選べない。全件を処理するのが当然だからだ。
しかし、刑事課や生活安全課、警備公安課などはこれから着手する事件を選ぶことができる。同様の事件が重なった場合、より話題性、社会性のある事件を選んで捜査を開始することができる。

では、交通事故、交通違反では全く事件を選べないかというとそうでもない。事件を立件するかどうかも現場の警察官のさじ加減ひとつで決めることができる。
もちろんそれが発覚した時は相応の処分を覚悟してのことであるが。
愛知県警では飲酒運転違反者を見逃した巡査部長が書類送検されたという不祥事が起きた。

愛知県警中村署交通課の男性巡査部長は、2013年7月7日未明、中村区の男性会社員が起こした物損事故で、現場の警察官から飲酒運転の疑いがあると報告を受けていたのに出動せず、同月9日に事故を起こした会社員に「処分はない」と
連絡した。さらに同園8月17日に起きた交通事故でも、現場の警察官に「飲酒検知の必要はない」と指示し、適切な捜査を怠り犯人を隠避した。

男性巡査部長は「飲酒運転で会社をクビになるとかわいそうだと思い処分しなかった」と弁解をしている。
このような事例にみるように、第一次捜査権を有する警察官に事件の裁量権を委ねているため、個々の犯罪立件を選択することが
容易にできるのである。これはほとんど全ての交通違反に可能である。

交通事故捜査係を担当した私の経験をもとにすると、この中村警察署交通課の巡査部長、会社員に同情して違反を見逃したというよりも
単純物損事故をより手間暇のかかる飲酒運転事故として事件捜査するのが単に億劫だっただけのような気がする。

比較的現場ではありがちはことだと思う。
飲酒運転を見逃したところで、誰も損をする人はいない。

さらに愛知県警の報道発表を聞き驚いたのは、県警は捜査をやり直し、会社員2人を道路交通法違反(酒気帯び運転)の事実で書類送検(検察庁に事件として書類を送ること)したということである。
事故当時の飲酒検知が行われていないのに、2013年7月と8月の2事件を2014年3月に酒気帯び運転で事件送致するなどできるはずがない。
普通に考えれば検察庁が飲酒検知結果を示す「酒酔い・酒気帯び鑑識カード」の証拠書類が無い飲酒運転事件を受け付けることはない。

はじめから不起訴(犯罪のあらず)の前提で事件送致するのでしょうが、それにしても事件化できないと分かっていてでも送致するのだから
本当に第一次捜査権の裁量権の全てを委ねられていることがわかる。
そして裁量権の全てが委ねられると、必ずそこには捜査員の恣意的判断が入るのである。

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交通警察官の飲酒運転

2014年03月15日 · 未分類

3月に入ってから激務が続いていたが、その間にも特筆すべき事件が起きていたようです。
これまでにも度々取り上げている警察官による飲酒運転ですが、3月7日、京都府警宮澤署の交通課巡査部長が交通課の送別会で飲酒した後自家用車を運転して物損事故を起こしそのまま逃走した事実で
道路交通法違反(酒気帯び運転・事故不申告)の事実で逮捕した報道がありました。

巡査部長は3月7日午後10時25分ころ、酒気帯び状態で京都府宮澤市の府道で軽自動車を運転中、北近畿タンゴ鉄道の踏切に衝突、そのまま車を放置して逃げたということです。
飲酒運転をした理由は、3月7日は交通課長ら交通課の同僚4人と午後10時ころまで酒を飲み、徒歩で一旦帰宅。ところが飲み会の幹事だったが支払いを忘れたことに気付き、官舎から自家用車を運転し支払をしに行く途中だった」と弁解しているようです。

よく理解できない理由ですが、きっとそうなのでしょう。
それにしても、警察官。しかも交通課の警察官で、一緒に飲酒したのも交通課の責任者にあたる交通課長と同課の課員ですから
すっかり交通警察活動が侮辱された感じです。

京都府といえばまだまだ記憶の新しい京都亀岡の交通事故、祇園の交通事故など近年まれにみる悪質極まりない交通事故が起きたばかりで
ご遺族の悲しみもまだまだ癒されいないというのに、どうしてこうも国民を裏切る行為になってしまうのでしょう。

やはり、警察官個々の、いやもしかしたら警察全体の不祥事に対する捉え方に問題があるような気がします。
私が現職中にも当然全国都道府県で飲酒運転や破廉恥罪など様々な警察不祥事件が起きていました。
すると形式的には「他山の石」として教訓とし事故防止に努めましょうという小会議が行われていました。

しかし実質的には「それはそれ、これはこれ」という感覚です。つまり「不祥事は不祥事として処分され、自分たちは通常勤務を粛々とこなすのみ」という考え方です。
もちろんそうしなければ、不祥事が起きる度に他の警察官まで通常勤務が滞ってしまうのでやむをえません。
そこに他山の石として反省教訓が育たない原因があると思います。

どこの都道府県でどんな不祥事がどれほど発生しても、警察官個々の職務執行権限が奪われるわけでもなく、給料が減額されるものでもありません。
するとすべては他人事になってしまうのです。

安定した身分が保障された職種の弊害なのでしょう。
弊害として様々な不祥事が発生しているから、必ず近い将来、また警察官の飲酒運転は発生します。

残念でなりません。

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二日酔い飲酒運転・警察官の飲酒運転

2014年02月27日 · 未分類

2月25日、奈良県警奈良警察署の50代男性警部補が、酒気帯び状態で車を運転し出勤した疑いで捜査している報道があった。
奈良警察署はこの警部補を道路交通法違反(酒気帯び運転)で書類送致し、同時に監察課は懲戒処分を検討している。

この警部補は奈良警察署地域課勤務。「二日酔いで運転している」という情報提供があり、2月上旬に車で出勤してきた警部補の呼気検査を行った。その結果基準値を超すアルコールが検出された。
警部補は「午前1時まで酒を飲んだ。酒が残っていることが分かっていたが運転してしまった」と弁解し、容疑を認めている。

実はこの二日酔いという飲酒運転もなかなか難しい検挙である。
もちろん、呼気検査を実施して数値が基準値を超えていることを証明するだけなら、何も問題はない。非常に簡単な作業で済む。
しかし、飲酒運転は運転手が飲酒運転している、このまま車を運転すれば飲酒運転になるという自覚、認識が必要な「故意犯」である。
警部補の弁解報道の中でも「酒が残っていることが分かっていたが運転してしまった」という、どこななくつじつま合わせを感じる弁解を強調している理由もそこにあるのだ。

この「故意犯」である飲酒運転。逆を言えば「昨夜の酒はもう残っていないと思った」とか「午前1時まで飲んだが5時間も寝たのでアルコールは消えたと思っていた」などと
体内にアルコールが残っている認識が無かった場合は、いかに基準値以上のアルコールが検知されても処罰することができないという問題が潜んでいる。

みなさんの中で、昨夜お酒を飲んだ方はいるでしょうか?
その飲んだお酒が、朝には完全に消化されて体内にはアルコールが残っていないと断言できる人はいない。
もしかしたら、なだ残っているかもしれない。
自分の経験、昨夜の飲んだ量、飲み終えてからの経過時間、自分の感覚に頼って「もう昨夜のアルコールは残っていない」と自己判断しているに過ぎない。
自分はアルコールは残っていないと判断して朝出勤のため車を運転を開始した。
途中、警察官の検問を受けた。

アルコールの臭いもしませんが、一応い念のため飲酒検知を行いますと警察官に言われ
飲酒検知を受けた結果、実際は呼気1リットルにつき0.15ミリグラムのアルコールが検知された。

警察官から、「これは酒気帯び運転ですので検挙する」と告げられた。
このような場合、法律で人を処罰することは妥当でしょうか?

同じ量のアルコールを飲んでも酔いの程度、アルコールが消化される時間は人によって様々で、同じ人でも固定された時間はない。
飲酒運転が「過失犯」も処罰されることになると、翌朝車の運転が予定されている者は、前夜は絶対に飲酒してはいけない
という事態を招くのである。

結論は、体内にアルコールが残っていることわずかにでも自覚があるのなら、どんな時でも車の運転はしてはいけない
ということになる。

因みに、私は昨夜午前1時30分、風呂上りに350ミリリットルの缶ビールを1本飲んだ。
現在午前10時30分過ぎ。体内にアルコールが残っている自覚は全くない。
午後0時に出発し福島まで車を運転して向かおうと考えている。
こうしてもし東北道で検問を受け、アルコールが検知された場合
それは、飲酒検知の機械が間違っているのだろうか?それとも私の自覚の認識が間違っているのだろうか?

飲酒運転防止の基本は当然、飲んだら乗るな、乗るなら飲むなである。
しかし、飲酒運転防止に取り組む方々の話題の種にでも
この「二日酔い運転」の難しさを頭の片隅にとどめておいて欲しい。

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交通事故の取調べ

2014年02月23日 · 未分類

警察官が行う交通事故の捜査は、交通事故現場に臨場して実況見分を行うことから始まります。
実況見分は交通事故の当事者や参考人、目撃者など立会人から直接説明を聞いて行いますが取調べではありません。むしろ取調べとは厳格に区別されています。
専門的な話しですが、実況見分における立会人の指示説明が、供述にわたるような場合はその指示説明を実況見分調書に記載することはできません。

窃盗、強盗、殺人、強姦など多くの犯罪でも、犯罪現場の状況を明らかにして証拠を保全するために実況見分を行い、その結果を実況見分調書に記載します。
一般犯罪は被害者、被疑者などの立会を得て実況見分調書を作成して、実況見分という捜査の一部分は終了します。

交通事故という犯罪が一般事件と異なるところは、実況見分調書を作成した後で、あらためて実況見分時の立会人を呼び、「交通事故現場見取図」などという名称の図面を立会人に示して
取調べを行う捜査方法をとっていることです。
分かりやすく言えば、実況見分を行った後に、後日、警察官が作成した図面に基づいて取調べを行い、その取調べ状況を「被疑者供述調書」「被害者供述調書」「参考人供述調書」などに録取するのです。
実況見分と異なり、取調べを行うのですらか当然、取調べに先立ち予め供述拒否権を告げた上でなければ違法な取り調べになります。
説明すると煩雑な捜査手段ですが、交通事故当事者となった経験がある方なら、被疑者でも被害者でも、目撃者でも時には遺族でも「あー、あの時のことか」とご理解いただけると思います。

実況見分調書の「交通事故現場見取図」を示しての取調べでは、ほとんどの場合、警察官は供述調書の中に定型的な次の決まり文句を書き込みます。

「この時本職は、平成〇〇年〇〇月〇〇日付け、〇〇県〇〇警察署司法警察員〇〇作成に係る実況見分調書末尾に添付された「交通事故現場見取図」を供述人に示した。」
ただいま見せていただいた交通事故現場見取図は、私が〇月〇日、実際に交通事故の現場で警察官に指示説明したとおりのことが書かれていることに間違いありません。交通事故現場見取図の記号の意味や内容も警察官から説明を受けよくわかりましたが、そのとおり間違いありません。

多少の言葉使いが違いがありますが、概ねはこのような文章を供述調書の中に書き込んで、取調べを継続します。

交通事故当事者の経験をした方ならきっと聞いたことがあるフレーズだと思います。
さて、このような文章が書きこまれた供述調書に署名押印をした場合、後になって、やっぱり実況見分調書の図面はおかしい、と訴えても
その内容を覆すことは本当に難しいと思います。

交通事故の捜査では実況見分調書添付図面を示しての取調べを行うことによって、実況見分調書の信用性をより強固なものにしているのです。
それゆえに交通事故現場の実況見分調書は、交通事故発生直後の状況をまとめたものであるから、交通事故処理上及び裁判上も「最有力証拠」となっているのです。
どちらかが交通事故の内容について否認するような場合には唯一無二の重要な証拠になることもあります。
あとから、いかに「実況見分調書が杜撰である」と訴えても、取調べの段階では前述のような定型フレーズに対して署名押印しているわけですから
そのような訴えが簡単に認められないのは当然です。

捜査には端緒(始まり)があり、必ず終息させなければなりません。
そのため事件は少しでも早く終息させようとする組織的力が働いています。

実況見分時に、様々な地点を警察官に質問されても正確に答えることはできないこともよく分かります。だからと言って、「そんなこといちいち覚えてないし、分からない」と言い続けても
交通事故処理は進みません。「大体、このあたりだと思う」程度には答えられなければ、車の運転手としての注意力を全く果たしていなかったということにもなりかねません。

そのような時には、実況見分調書添付の「交通事故現場見取図」を示されての取調べ時にはっきりと「交通事故現場見取図に書かれている内容は、絶対に間違いないという意味ではありません。」といった内容で補足しておくべきたと思います。
詳しい補足説明の内容はまた次の機会にしたいと思います。

どのような時でも、自信がないこと、曖昧なことが残されている文書は慎重に検討しなければなりません。
特に、絶対、全く、決してなどの言葉にはより注意が必要です。

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警察車両との交通事故

2014年02月21日 · 未分類

2014年2月18日午後7時50分ころ、秋田県横手市赤坂の国道107号で、秋田県警横手警察署の40代警察官が運転するパトカーが、交通事故現場に向かうため、渋滞を避けて対向車線を走行中、T字路交差点で右折しようとした横手市の30代女性の軽自動車と衝突する交通事故が発生した。
幸いこの交通事故で怪我をした人はなく、物損事故で解決しそうである。

秋田県警の発表では、パトカーは2台で現場に向かう途中、先頭のパトカーはサイレンを鳴らしていたが、20~30メートル後ろを追従していた交通事故を起こしたパトカーは
赤色灯を点けていたが、サイレンは鳴らしていなかった。

軽自動車は先のパトカーをやり過ごした後、右折しようとし後続のパトカーに衝突した。

先週、瀬戸内の方から警察車両との交通事故でどうしても処理の方法に納得がいかないという相談を受けたばかりだった。
しっかりと記録に残しながら慎重に交通事故処理に取り組んで欲しいと願う。

ところで、緊急走行途中で事故を起こすと、結果は現場にすら臨場できなくなる。
一般車両を事故に巻き込み、何一つ職務として役に立つことはしていない結果になる。

いろいろ県警としての言い分もよくわかるが、どんな理由であっても一般車を事故の当事者に巻き込むことは
絶対に許されないと思う。

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福井県での交通事故調査・刑事事件

2014年02月21日 · 未分類

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刑事事件は難しい。様々な制約があるからだ。
思い通りに主張ができず苦しんでいる方がたくさんいる。

自分では少しも考えていないことが、いつのまにか
事件事故の重要争点になってしまうことがある。

間違いは裁判の途中で、どこかで修正ができるだろうと
考えていると大間違いである。

交通事故捜査の流れで、自分の経験と違うと感じたなら
安易に受け入れて署名してはいけない。

肝に銘じて欲し。
どこかおかしい、と感じても妥協してしまうと
それが真実として進んでしまうのだ。
それを修正しようとしても、司法とうい制度が受け付けてくれない。

裁判が始まってから公判廷で、真実を述べたとしても
裁判官は「捜査段階での供述は信用できる」として聞き入れてさえくれないことがある。

名古屋から福井県に移動して交通事故現場を見ていたら
つくづくそう感じた。
なによりも警察官は交通事故の発生メカニズムを正確に把握すべきだ。

ところで2月中旬の福井市は積雪ゼロ!
全路線乾燥路面。

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交通事故調査の基本

2014年02月19日 · 未分類

IMG_2562名古屋に向かうかひかりで移動中です。
私は交通事故調査とは学歴や権威、知名度で行うものではないと考えております。
もちろん知識も経験も無い人ができるものではありませんあせん。
法医など極めて高い専門性が必要な時もあります。

それで私は交通事故調査には数多くの実務経験があって、誠実な人が求められると自信を持って断言します。
自分が実務経験したことのない分野は、その道の専門家の意見を十分尊重できる誠実さが欠かせないのです。

学歴や権威が邪魔をし、分からないことを専門家の真似をしてあたかも熟知してるような書面を作成するような人は
とても危険だと思っています。
また、自然の法則をよく知っている筈の先生方が、いとも簡単に自然科学を無視した書類を作成するなどは、誠実さに欠けている、人として倫理に欠けていると思ってます。

このところ大変著名な先生がお書きになった「鑑定書」を2件、続けて読ませていただきました。
ちょっと酷すぎます。ご自身で執筆なされた本を今一度読み直して欲しいと思います。

さらにもう一件
損保会社アジャスター出身でこの先生もアメリカの大学院で交通事故の研究をしたとか、鑑識学会の評議員だとか、事件解決で警察表彰を一度受けたとか素晴らしい経歴があるようです。

それで警察捜査の真似事をして結論を出しておりました。
警察の捜査には多くの問題点が存在することは私自身がよく知っております。
しかし、簡単に真似できないのが捜査手法という事件事故へのアプローチです。
それを知らずして、文書を作成するから稚拙です。
お笑いです。
捜査視点とは極めて専門性が求められる高度な技術です。

弁護士の先生方、交通事故の当事者になって苦しんでいる方、素晴らしい交通事故鑑定人もたくさんおります。
鑑定人を選ぶ時、どんな人物で、どんな人と繋がりを持って社会生活を営んでいる人なのかを
十分下調べをして欲しいと思います。

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故意犯としての無免許運転・捜査能力

2014年02月09日 · 未分類

青森県警は2月7日、運転免許証の有効期限が切れた無免許状態でパトカーを運転したなどの理由で、交番勤務の20代男性巡査を道路交通法違反の疑いで青森地検八戸支部に書類送検し、減給10分の1(6ケ月)の紹介処分にしたことを発表した。
巡査は同日依願退職している。

青森県警の発表では、巡査は昨年10月から12月中旬の間、無免許状態であることを知りながら4回にわたりパトカーや私有車を運転した。
警察官がパトカーを無免許運転だから弁解のしようがない。いったい取締り機関として成立しているのかを疑うお粗末さである。

ところで、この事件の報道について新聞各社の見出しに
「パトカー無免許運転、巡査を書類送検・・・更新忘れ」とある。

「更新忘れ」、これはいわゆる「うっかり失効無免許」と言い刑罰の対象にはならない。
分かりやすく言えば、運転免許証の有効期間が過ぎていることをすっかり忘れてしまって車を運転中、警察官の検問を受けた。その時、警察官から有効期限が切れていることを指摘されて初めて有効期限切れに気付いたような場合である。
この場合は、無免許運転として処罰されないのである。

これに対しパトカーを無免許運転した青森県警の警察官は、県警発表でもあるとおり「無免許状態にあることを知りながら」パトカーを運転していたのだから立派な故意犯で、更新忘れなどという類のものではない。
私が現職中は、このような有効期限切れの無免許運転は極めて悪質性の高い運転行為として対応してきた。

特にこの巡査は、上司から免許更新について聞かれた時は「更新した」と嘘をつき、さらに私有車両を公務で使用する際の私有車両公務使用申請書にも、免許更新をしたように偽って申請書を作成しており過失犯とされる更新忘れなど、報道発表する側も報道する側も事実に即していないものだと感じる。

無免許運転違反の取締りというものは一般に知れ渡っているほど容易いものではない。
うっかり無免許や車種外無免許とそれぞれに故意犯と過失犯の判断をしなければならない。
それでも、有効期限切れでも運転免許証を持っていれば、少なくても氏名、生年月日、住所などの人定事項は特定されているので処理は比較的簡単に進む。
問題は、全くの無免許である。一度も運転免許を取ったことがないものを取り締まるのは
ある程度の捜査能力が要求される。

第一に人違いではないことを確認しなければならない。友人知人、家族に成りすましていないか身元をしっかり捜査することが誤認検挙を防止する大切な手続きである。
また、一度も運転免許を取得したことが無い者が、どうして車の運転ができるのか?この点も捜査しなければならない。
いつ、誰に教えられ覚えたのかなど、運転指導など幇助、教唆犯を視野に入れなければならないのである。
運転していた車は誰が所有するものなのかも捜査しなければならなり。被害届がでている盗まれた車ではないのか。車検はどうなっているのか。
エンジンキーは誰がどのように保管しているのか、など多くのことを捜査しなければならない。

まだまだ捜査しなければならない項目があり、それらを満たしてようやく故意犯としての無免許運転が立証できるのである。

よく、飲酒運転も無免許運転も運転の段階で故意であるという訴えを聞く。
問題はそこには過失の場合も多々あることだ。
いっそのこと法律を変えて理屈なしですべて処罰できれば国民にもわかりやすい法制度が完備できるような気もする。

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交通違反切符の偽造容疑事件

2014年02月08日 · 未分類

秋田県警は2月7日、交通違反切符の点数切符を偽造したとして、虚偽有印公文書偽造、同行使などの事実で秋田県警察本部の男性巡査長を書類送検した。県警は巡査長を減給10分の1、3か月の懲戒処分にした。巡査長は同日付けで依願退職したことを発表した。
送致事実は、交番勤務をしていた2012年1月5日、交通取締りの時にメモした秋田市の20代の男性の運転免許証情報を基にして、この男性をシートベルト装着義務違反にしたてた点数切符を偽造したということである。さらに2011年8月4日にはスピード違反の切符に違反者の押印を忘れたため、代わりに自分で指印したということである。

県警監察課の調べに対し巡査長は「同期の仕事ぶりを見てプレッシャーを感じていた」と動機について説明している。

あまりに単純な手口である。
このようなことは、いずれは発覚することくらいわかっているのだが
それでも冷静な判断ができなくなるほど検挙実績に追われる勤務だったのだろうか。

警察は取締り機関である。
だから、取締り実績がゼロの者よりも、10件取締りを行った者の方が優れた評価を受けるのは当然である。

しかし、実績がゼロの警察官が不良であるという理由もない。
とくに、交通違反を切符処理をするという職務は、得手不得手が大きく左右する分野で警察官であれば誰でも簡単に切符を作成できるというものではない。
むしろ全国に大勢いる警察官でも実務上は交番駐在所勤務の警察官と交通関係警察官の他は交通違反切符を作成したことが無い方が多い。
刑事課、生活安全課、警備課の警察官などは
「初任科を卒業して交番勤務以来、10年以上も切符なんて切ったことがない。」とまるで、切符を切らなくなった年月の長さが自分のステータスであるように吹聴する警察官も
数多く見てきた。

交通違反切符を作成したことすらない刑事課や警備課出身の交通課長や副署長、警察署長などに
「切符をもっと切れ、実績低調者だぞ」という指示を受けたこともある。

そのような組織風土になっている警察署では、もはや安全を願う交通取締りではなくなっていたように思う。

警察官の虚偽公文書作成は絶対に許されない犯罪である。いささかも許してはいけない犯罪だと言い切れる。
実績のある者は表彰してあげればいい。しかし切符の告知件数が警察官としての資質や能力の優劣判断材料にすることは大きな間違いである。
その間違いの被害者は必ず県民が被るのだ。

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