県警職員の飲酒運転事故が全国で頻発しておりますが、
県警は真剣に飲酒、無免許運転など悪質危険違反の撲滅を考えていることは間違いありません。
確かに現場の警察官は「取締りをやれ」と命令があるから行っている面も否定できません。
個々の警察官が飲酒、無免許運転の撲滅を真剣に考えてて取り組んでいるわけでもありません。その結果が頻発する警察官の飲酒運転事故として具現化しているのだと思います。
さて、飲酒運転の撲滅の啓蒙活動に取り組んでいる県警の立場では
飲んだら運転代行を利用しましょう
という広報活動は積極的に行っていなかったように思います。
何故、県警の立場では運転代行の利用を積極的に推進しないのでしょうか?
私がまだ警官駆け出しの頃、管内の住民に配布回覧する「ミニ広報誌」の作成を担当したことがあります。
広報誌のテーマは、年末の忘年会シーズンに向けての飲酒運転の防止についてです。
私は誌面の大見出しに「運転代行の積極的利用を」として運転代行の電話番号を常ね身近に持ち歩くような対策を心がけましょうと広報指導した案文を上司に提出しました。
一般社会通念上では何の問題も無い文章ですが、私の案文を点検した当時の幹部警察官から
厳しい指導を受けたのです。
その指導の中に、県警の立場として運転代行の利用を積極的に呼びかけない理由を見ることができます。
飲酒運転防止に対して県警が長年訴え続けている立場は
飲酒する場所には車を持ち込まない
飲酒が予定されているなら朝から車を置いてくる
という考え方です。
それ故、飲酒するために飲酒会場近くまで車で行くことを前提にした
運転代行の利用については消極的なのです。
私が現職中、忘新年会、歓送迎会シーズンに、よく車通勤車は飲酒当日は公共交通機関での出勤を求められました。
それでも車で通勤して来た者は上司に車のキーを差し出して保管させられました。
このような対策を講じても、県警組織ですら警察官の飲酒運転を無くしことができないでいるのが現状です。
飲酒運転撲滅に向けた様々な制度、法令の改正や社会のシステム作りが全く無駄だとは思いません。
しかしどんなに素晴らしい理想的なシステムを構築しても
運転手のモラルに働きかけることはできません。
私は幼い頃からの教育が人のモラルを形成するものと感じます。
飲んでしまった後でも適正な判断能力が保てることを前提とした運転代行の利用促進に疑問を感じる考え方も間違いではないとおもいます。
これからの県警がどういう方向に向かうか見届けたいと思います。