交通違反切符の偽造容疑事件

2014年02月08日 · 未分類

秋田県警は2月7日、交通違反切符の点数切符を偽造したとして、虚偽有印公文書偽造、同行使などの事実で秋田県警察本部の男性巡査長を書類送検した。県警は巡査長を減給10分の1、3か月の懲戒処分にした。巡査長は同日付けで依願退職したことを発表した。
送致事実は、交番勤務をしていた2012年1月5日、交通取締りの時にメモした秋田市の20代の男性の運転免許証情報を基にして、この男性をシートベルト装着義務違反にしたてた点数切符を偽造したということである。さらに2011年8月4日にはスピード違反の切符に違反者の押印を忘れたため、代わりに自分で指印したということである。

県警監察課の調べに対し巡査長は「同期の仕事ぶりを見てプレッシャーを感じていた」と動機について説明している。

あまりに単純な手口である。
このようなことは、いずれは発覚することくらいわかっているのだが
それでも冷静な判断ができなくなるほど検挙実績に追われる勤務だったのだろうか。

警察は取締り機関である。
だから、取締り実績がゼロの者よりも、10件取締りを行った者の方が優れた評価を受けるのは当然である。

しかし、実績がゼロの警察官が不良であるという理由もない。
とくに、交通違反を切符処理をするという職務は、得手不得手が大きく左右する分野で警察官であれば誰でも簡単に切符を作成できるというものではない。
むしろ全国に大勢いる警察官でも実務上は交番駐在所勤務の警察官と交通関係警察官の他は交通違反切符を作成したことが無い方が多い。
刑事課、生活安全課、警備課の警察官などは
「初任科を卒業して交番勤務以来、10年以上も切符なんて切ったことがない。」とまるで、切符を切らなくなった年月の長さが自分のステータスであるように吹聴する警察官も
数多く見てきた。

交通違反切符を作成したことすらない刑事課や警備課出身の交通課長や副署長、警察署長などに
「切符をもっと切れ、実績低調者だぞ」という指示を受けたこともある。

そのような組織風土になっている警察署では、もはや安全を願う交通取締りではなくなっていたように思う。

警察官の虚偽公文書作成は絶対に許されない犯罪である。いささかも許してはいけない犯罪だと言い切れる。
実績のある者は表彰してあげればいい。しかし切符の告知件数が警察官としての資質や能力の優劣判断材料にすることは大きな間違いである。
その間違いの被害者は必ず県民が被るのだ。

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