鹿野島県警鹿児島西警察署で交通事故の実況見分調書の改ざんがあったとして、鹿児島県警は5月8日、改ざんを指示した58歳の警部(現・県警交通部交通企画課)と、
その部下だった巡査長30歳、巡査23歳を虚偽有印公文書作成・同行使の罪で鹿児島地方検察庁に書類送検したことを発表した。
鹿児島県警の発表では、警部は鹿児島西警察署交通課長だった2011年12月から2013年2月の間、鹿児島市内で起きた交通事故6件で、部下3人に実況見分調書の中の現場見取図の書き換えを指示し
部下の3人が従ったとしている。現場で作成した見取図と、後日、当事者から聞き取りした内容に食い違いが生じたためで、調べに対し警部は「これくらいなら死傷はないと軽く考えていた」と話したという。
鹿児島県警では警部を減給10分の1(6ケ月)の懲戒処分とし、巡査長など3人を所属長注意とした。
警部は同日付けで依願退職した。
このようなことはよく起こることだというのが経験上の私の実感である。
私が警察官を辞める3~4年前ころは、交通課長などが書き換えを指示するということはかなり少なくなっていた。
ということは、現場の警察官が作成した見取図が絶対的となり、間違っていても堂々と公の場にはびこる弊害も生まれた。
そもそも実況見分調書とその添付見取図というものは、いったん立会人の指示を受けて作成された性質のものえあるから
上司からの指示などで修正できるものではない。
仮に修正を指示され、あらためて立会人を付けて実況見分をやり直したとしても、1回目に行った結果と異なった結果になるという性質のものでもないのである。
しかし、その実況見分が交通事件捜査ではいかに杜撰に行われ、それを警察組織として容認している場合がある実態を
いずれ近い将来に示していきたいと考えている。