千葉商科大学政策情報学部まちづくり研究室の小栗幸夫教授が中心のソフトカー・プロジェクトチームが開発・普及を進めているソフトカーとソフトQカー。
小栗教授の研究室では日本各地、世界各国の交通被害のみなさんと交流しながらプロジェクトを進めています。
そのソフトQカーが5月28日から29日まで仙台メディアテークで開催されたICT推進フェア2014in東北で紹介されました。
小栗教授が来仙と聞き私も会場にお邪魔させていただきました。
ソフトカーとは
道路によって最高速度を変え、ライトで外務に表示し、やさしく走る車です。
どんな車も、最高速度の表示と制御装置の搭載でソフトカーになります。
ソフトQカーとは
ソフトカーの電気自動車版です。歩行者の速度で走ることができます。
もちろん必要な道路では普通に走ることもできます。
単にゆっくり走るという概念ではありません。
人と車が共存するゾーンを全国のまちとむらのみなさんで目指そうとするものです。とても画期的な概念です。
これは脱車社会でもありません。
大型輸送を否定するものでもありません。
普通車もトラックも人と車が共存しながら、安全で悲惨な交通事故を防止する取り組みです。
多くの課題はありますが、スクールゾーンやシルバーゾーン、通勤通学時間帯などでは
重大交通事故を防止できる即効性のある取り組みだと思います。
当社としてもこの取り組みに賛同しております。
この度は小栗先生といろいろと話が進み、5月29日から6月8日ころまでの10日間、当社の車庫で
ソフトQカー1台を展示・実用使用することになりました。
交通事故事件問題、車社会、交通事故被害者遺族問題と常に深く関わっている会社として
小栗教授の説明を受け、実際に運用する機会を得て、あらためて交通社会の様々な問題点を考えさせられました。
重大な交通事故を無くす取り組みとして、警察の取締りの適否を論じあったり、罰則の強化、厳罰化を審議するのと同時に
ソフトQカーの概念を具体化する政策も話し合うべきだったのかもしれません。
交通死亡事故0という究極の目標を掲げ宮城県では先日
みやぎ交通事故0キャンペーン
という取り組みが県警をはじめ県下で始まりました。
これまでも同様の施策は何度も行われていましたが、ソフトQカーの発想で交通事故を防止しようという取り組みはありませんでした。
交通事故防止や交通秩序の維持に果たす警察の力はとても大きく、影響力があります。しかし
子供、お年寄りなど交通弱者の事故防止~具体的に何をしてきたのか? 要は取締りの強化という言葉です。
交差点関連事故の防止~具体的に何をしてきたのか? 要は取締りの強化という言葉です。
悪質・無謀運転車の事故防止~具体的に何をしてきたのか? 要は取締りという言葉です。
交通の取締りは警察固有の権限で、取締りは適正に強力に行うのは当然ですが、せめて
春と秋の年2回の交通安全県民総ぐるみ運動期間中や、今回のような交通死亡事故0キャンペーンなどのように
特別な時間と費用、人員がかけられるなら、地域社会でソフトQカーを推進させるにはどうしたらいいのか、困難にさせている原因が何で、どうすればその原因を取り除くことができるのか
といったことを、都道府県市町村、警察本部、交番、駐在所、町内会、PTA、地域住民などが車座になって
話し合う機会を設けてもいいのではないでしょうか?
現状は、警察は取締りをやるから、地域住民はやれることをしよう
という取り組みになっていると思います。
人と車が同じ道路を利用しているのですから、共存できる交通社会を作っていく視点で
交通事故防止に取り組みたいと思います。