群馬県警は11月14日、居眠り運転の交通事故であるのに事実と異なる脇見運転で事故を起こしたとする捜査報告書などの文書を作成したとして、虚偽有印公文書作成、同行使の疑いで
群馬県警太田警察署交通かの巡査部長と巡査長を書類送検し、それぞれ減給の懲戒処分とした。
調べに対して巡査部長は「居眠り運転の捜査経験がなく、捜査が面倒だと思った」と弁明の供述をしている。また巡査長は脇見運転で処理すれば簡単な書類で済むと考えたと話している。
事の発端は6月19日、群馬県太田市内で発生した交通事故で、車を運転し事故を起こした男性が「居眠り運転をした」と供述したのに、脇見運転と記載された捜査書類で送検されたことにある。
巡査長は事故を起こした男性に対して「居眠り運転だと処分が重くなる。脇見運転ではないのか」と話し居眠り運転を脇見運転で処理することの了解をえたのだという。
巡査部長も事故の原因は居眠り運転であるのに脇見運転で処理する報告書を作成することを承知していた。
私もよくこのような話を聞くことがある。
実際に居眠り運転だと説明しているのに、現場に来た警察官からしつこく脇見運転だろうと説得されたという具体的な話しである。
確かに事故を起こした運転手にとって居眠り運転は処分が重くなるデメリットがあり、一方警察官も居眠り運転では書類が複雑になり簡単に処理したいという気持ちから脇見運転で処理することにメリットがある。
このように居眠り運転を脇見運転で処理することで被害を受ける人は誰もおらず、警察官と被疑者(自動車運転手)の利害が一致するのである。
刑事事件では被疑者側に有利に働く手続きで捜査を進めても、被害者には全く無関係な構図がある。
しかしこうして居眠りから脇見に虚偽作成された刑事書類が、民事事件で訴訟に発展すると途端に被害者にとっても重要な意味を持つのである。
実際は居眠りじゃないのか、実際は飲酒してたんじゃないのか、実際は携帯電話をかけていたんじゃないのか・・・・・
警察官の虚偽文書作成によって被害者はずっと真相を受け入れられない状況に陥るのである。
そのようなご遺族を私はたくさん知っている。
このような案件が頻発すると交通事件事故捜査の構造的欠陥が浮き彫りになり、究極は第三者による検証機関が絶対必要になってくると思う。
事実に反する記載をした報告書を作成した警察官、それを決済した幹部警察官は
故意過失の有無にかかわらず免職させるべきである。
それほど真剣に公文書を作成させる義務を課さなければ、真相真実、事実に反する作文に基づく犯罪事実がどんどん氾濫する。
弁護士、検察官、司法書士、行政書士などこのブログを見ている文書を作成する多くの方々にあらためて言いたい。
これはレアなケースではない、氷山の一角に過ぎない