交通事故の不申告違反とは、交通事故があったのに事故の発生を警察官に届けなかったという違反です。こんなことは運転免許を持っているのですから当然、誰でも知っていることです。特に事故の相手が子供であれば運転手の責任として大人の責任として絶対に怠ってはいけない運転手の義務です。車同士がちょっと接触した事故を起こして、その場で話し合って別れるのとは全然意味が違います。
ところが、大分県公安委員会の委員長が、2歳の子供と接触事故を起こし、自ら病院に搬送してあげたのは理解できますが、その事故発生を警察に届け出をしなかったという交通事故不申告事件が本日報道されていました。公安委員会とは警察を管理するため県知事の所轄の下に置かれている行政委員会です。その組織の長がこのような基本的な義務を怠ると、県知事・公安委員会・県警の関係が「持ちつ持たれつ」「なぁなぁの関係」になってしまい、その機能を失ってしまう恐れが出て来るのです。現実には適正に機能しているかもしれませんが、例えば今回は公安委員会の顔を立てて穏便に処理するので、次回県警の不祥事が発覚した時にも穏便にお願いします、といった不信感がどうしても芽生えてしまうのは人の心情として当然だと思います。
大分県公安委員長は事故不申告について「保険屋さんが通報してくれると思った」というコメントをしていますが、大人の理屈としては通用しないと思います。週明けの23日にも公安委員長の職を辞任する意向を示して幕引きを進めていますが、目的は事案の早期収束で終わらせることではなく、公安委員の職にある者でさえ当然の義務を果たさない教育の低さの是正だと思います。議会の同意を得て知事が任命する公安委員会委員ですので、一個人の責任としてではなく行政全体の問題として考えて欲しいと思います。権力機関を監督する機関ですからこそ厳正に取り組んで欲しいと思います。
交通事故不申告事件
2012年04月22日 · 未分類
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