重大交通事故がとまりません。京都、千葉、愛知と続き次は群馬関越自動車道です。大型高速バスが自損で道路左側の防護壁に衝突し、7名が死亡しました。運転手は「居眠り運転をした」と説明しています。大型バスは丈夫そうに見えますが実は車体の軽量化を図るためにボディ全体が非常に薄っぺらな板でできており、強度はありません。車内の乗客を雨風から保護する程度の物です。座席の下も、ほとんどはトランクルームとなっていて空洞です。車体の上半分が窓ガラスなんていうバスもあるように、大型車両でもダンプカーのように補強版をとりつけて強度を増しているものとは根本的に車の構造が異なっているのです。ですから今回の事故のように防護壁や中央分離帯などに衝突すると、防護柵などの衝突物が車内を串刺しにするようにのめりこんできて、死傷者が多数でる大事故になってしまうのです。
この事故は群馬県警高速隊の当番小隊が中心となって他から応援をもらいながら処理することになるのでしょうが、不祥事、不手際を起こすことなく真摯に対応して欲しいと思います。
私は高速バスの事故処理経験はありませんが、路線バスの人身事故は数件取り扱ったことがあります。バスの事故で最も神経を使うことは、乗車人員の人定作業でした。マイカーの事故と違い、路線バスや高速バスは乗員につながりがないため、どこの誰が乗っていて、怪我をしたのかの把握ができないのです。そのため報道発表も不完全な状態で行われ、情報が二転三転して混乱させる結果になるのです。すると警察はどんな情報収集方法をとっているんだという不信感を抱かせてしまいます。
また、路線バスの場合、比較的軽症の方や怪我をしなかった方などは、警察官の到着を待たずに帰ってしまうこともおこるのです。
そして、後日診断書を提出されると、警察では人定を把握しておりませんので、本当にその事故による怪我の診断書なのか、本当にそのバスに乗り合わせていたのか、など交通事故証明書を発行できるかの判断をせまられ一般事故とは異なる気苦労があるのです。
報道を見る限り関越自動車道での高速バス事故の乗客は、大半がインターネットで申し込んだ方々らしくツアーを企画した会社もバス会社も正確な乗客の把握に苦慮していると思います。
会社としての運行責任など調査(捜査)事項は多義にわたり、省略化した解決策に流されないで欲しいと思います。遺族、被害者、報道関係者などはしっかり捜査の行方を見届けてください。
大型バスの交通事故調査
2012年04月30日 · 未分類
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