交通死亡事故抑止目標数~命のおもみ

2012年06月13日 · 未分類

最近、愛媛白バイ事件、高知白バイ事件の二つの事件への関心を強めていたせいでしょうか。日々の事件事故に関しても両県警の報道発表に注目しております。そのような中で先月24日、愛媛県警本部勤務の巡査部長が前方不注視により横断歩道を歩行中の女性を軽自動車で跳ね重傷を負わせ自動車運転過失傷害容疑で書類送致する予定という報道が目に留まりました。当然より崇高な使命と職業倫理の実践を求められている警察官にとって、前方不注視によって横断歩行者を跳ね飛ばした行為は許されないと思います。しかし、警察官であっても全能完全なわけではなく、このような事故は起こしてしまったのなら、適正な捜査によって処理されるのであればやむを得ないと思います。私がこの報道の中で注目したのは、警察官の交通事故ではありません。この事故についての県警本部長のコメントです。どうやら愛媛県警は本年の年間交通死亡事故死者数を60人未満と決めて「アンダー60」という標語を定めているようです。そして本部長は「アンダー60」の達成に全力を尽くします」というコメントを出しているのです。交通事故死者数の抑止目標は国の方針で、それに基づき各都道府県でも交通事故死者数の抑止目標は定められています。しかし、どうして「0」を目標にしないのでしょうか?それは無理な目標だから?だから最初から「0」は目標とせず、許容人数を示しているのでしょうか?今年は60人の命は県警として許容範囲の人数と考えておられるのでしょうか。人の生命、身体、財産の保護に任じる崇高な使命は、交通事故だけで年間60人の命は許される命の犠牲というものなのでしょうか。確かに組織の上に立つ者として、管理する者の立場として、数値管理が必要であることは十分理解できます。しかし、不意に訪れる人の死については、目標は「0」を掲げ、死亡事故「0」の達成に全力を尽くす、とういうコメントであって欲しかったと思いました。それこそが崇高な使命だと思います。
今日現在、愛媛県の交通死亡事故死者数が何人なのかわかりません。少なくても、今日まで交通事故を含め、事件事故でお亡くなりになられた方々の尊い命は、許容範囲だから許されるというものではありません。

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