続発している高齢者の事故についてサンケイスポーツ(2017.6.20版)で当社佐々木がコメントしております。
さまざまな考えがあります。
どれも大切ですが、「交通事故防止の特効薬はない」という教えのとおり、どれが有効であるのかわかりません。
免許取得年齢が一律18歳と定めているのであれば、免許返納年齢を一律75歳と定めてもいいのではないかという考え方もあります。
わからないでもありません。
しかし、仮に75歳以上の方が一律に車の運転をしなくなったとして、次の課題は75歳以下の方の事故防止という壁に対応しなければなりません。
決して75歳以上の高齢者だけが重大事故を起こしているわけではありません。
確かに単純な運転操作ミスや判断ミスによる事故が多く発生しており、多くの犠牲者もでています。
同様に、75歳以下の方が起こす事故も、減少傾向にあると言いつつも、まだまだ発生しています。
著しいスピード違反による事故、飲酒事故、無免許事故、信号無視事故などは75歳以上の高齢者特有の事故ではありません。
行政が高齢者の免許証自主返納制度に力を入れることを否定するつもりはありません。
ただ、私としては、これだけ自動車の技術革新が進み、コンピュータ制御が発達した自動車が市販されているのであれば、やはり踏み間違い防止装置の精度アップ、車線・路外逸脱防止装置の精度アップ、アルコール含有者の発進制御装置、GPSを利用した速度制御など、安全技術装備の発展を期待したいと思っています。
また現在がその過度期にあるなら、行政には歩車分離を徹底する安全施策に取り組むことが最優先課題だとも考えています。
どんな場合でも100%の効果は期待できません。しかしヒューマンエラーが起こす事故の割合や故意で悪質運転を慣行する人的要因に比べたら、コンピュータシステムのミスが引き起こす事故の可能性は圧倒的に小さいと考えています。
コンピュータシステムのミスで事故が発生した場合、誰が責任を取るのかという問題もあります。責任所在の問題は法律論の問題で、法律家が判断すべきでいいと考えています。
多くは法律という公のルールで決めれば解決できる問題です。
人は必ず過失を犯し、人は必ず故意で動機付けします。
交通事故は両者で発生し、人が人を制御することはできません。刑罰の圧力だけで制御することもできません。
自動車という乗り物を利用するなら、自動車の性能、技術面での安全対策は必要だと思います。