交通違反取締機器の使用ミス

2012年07月07日 · 未分類

栃木県警宇都宮東警察署が速度測定装置の使い方を誤り、10ケ月間、4200件の検挙について正確な測定ができない状態で取締りを繰り返していたという報道がありました。
実はこの事件とほぼ同様の事案を私も担当しているので非常に関心があります。宇都宮東警察署の場合はレーダの投射角度と測定誤差が問題となっているようですが、機器の誤った使用の結果得られたデータは、たとえ誤差の範囲であっても無効でなければならないと思います。
捜査機関が人を処罰するということは、データ上の誤差、などという安易な考えのもとであってはなりません。処罰を目的とする書類は全て合法、合理、妥当という3つの要素が矛盾なく整合している必要があります。
分かりやすく例えると、スピード結果だけ示して速度違反を検挙できるのなら、非常に高額なレーダー取締り機器など使用しなくても、簡易なスピードガンで測定したデジタル表示を運転手に見せて検挙すればいいのですが、司法書類(捜査書類)というものはそれではいけないのです。人を法に基づいて処罰処分するには、得られた速度データが、いつ、どこで、誰が、どのような方法で測定したかを明確に証拠化しなければいけないのは当然です。機器の取り扱い方法に誤りがあれば証拠化に不備があり立件は見送るのが当たり前だと思います。これは私見ではなく刑訴法がそれを要求しているからです。
交通違反などで疑問や相談したいことがある方も、遠慮なくご連絡ください。違反を逃れる手段など頼まれても、間違っても教示しませんが、取締りが妥当であるのかなどは説明させてもらいたいと思います。
それにしてもこの案件を栃木県警はよく公表したと思います。

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