2009年9月30日、埼玉県熊谷市の市道で当時10才の小関孝徳くんが死亡ひき逃げ事件の被害に遭い、犯人未検挙のまま今年で発生から10年になる。
事件が無ければ今年孝徳くんは20才になっていた。
テレビ埼玉ニュース930PLUSが特集を組み、4月12日放送された。
当社佐々木はテレビ埼玉報道部原智佳の取材に応じ、事件への取り組み、思いを語った。
10年間、孝徳くんのお母さんは当時、何が起こったのか、どうして事故になったのか何もわからないで苦しんでいる。
10年間、どんな捜査が行われてきたのか、警察から詳しい説明を受けることもない。
お母さんの心の内は我々が思う以上の悲しみや不安に追い込まれていることは容易に想像できる。
警察は捜査の結果を懇切丁寧に被害者に説明することができない。
ご遺族に十分説明することができない警察の立場も理解できる。
これは警察が悪いのではない。
制度として、捜査内容を話すことができないのである。
警察は、捜査に支障をきたさない範囲でという条件のもので、ある程度の説明をする。
しかし遺族が求めるのはある程度ではない。
この温度差が遺族をさらに苦しめるのが現実である。
この先もずっと変わらないと思う。
今はこの点を問題視するよりもまず先にすべき優先順位。
犯人検挙に向けて
警察の捜査は基本的に市民の協力で成り立っている。
警察独自の組織捜査力で犯人を検挙する事件はほとんどない。
どんな事件の犯人検挙も、警察捜査とは地域住民、民間企業、他官庁などに広く協力を求めて情報を吸い上げ、犯人に辿り着いていく作業である。
その意味では捜査情報の持ち主、提供者とは実は地域住民、市民であり、日常生活の情報が捜査情報である。
宮城県警察学校の校歌に「ああ、民警の旗風に、はつらつ若きまゆあげて、郷土の治安まもりたつ」とあるが、まさしく県民とともに県民の協力を得てこそ治安を維持できるというものである。
有力情報ってどんなものとお考えの方もいるでしょう。
みなさんが毎日の生活を繰り返している中で、散策中の森林の中や愛犬の散歩経路の空き地など、もう何年も放置されたままになっている所有者不明の車を見かけませんでしょうか?
これらは有力情報です。
家庭や職場、学校で事件に関する風評など聞いたことははいでしょうか?
これらは有力情報です。
このような有力情報を一つ一つ潰していくのが警察の捜査で、犯人を追い詰めていく作業である。
市民の目、大衆の目は最大の捜査力である。
犯人検挙が困難になり、長期化し時間が切迫している時ほど、警察、民間企業、市民、メディアなどの住み分けが重要であり、
それぞれの持ち場で、それぞれの利点を最大限に活かすことが求められる。
多くの情報の提供をお願いします。