熊谷小4男児死亡ひき逃げ事故と罪名変更について
罪名変更による時効延長というニュースがとてもインパクトがあり、どこか裏技的な響きを受けますが、交通事故事件に限らず捜査の過程では罪名変更が頻繁に行われており、特異なことではありません。
自動車運転過失傷害で捜査していたが捜査の途中で被害者が死亡すると自動車運転過失致死に罪名を切り替えます。
自動車運転過失致死の疑いで捜査していたが捜査を進めてみると危険運転の疑いが浮上すれば危険運転致死に罪名を切り替えます。
逆もあります。
危険運転致死の疑いで捜査を開始したが捜査の過程で立件困難となれば自動車運転過失致死に罪名を切り替えます。
当初は物損事故で処理していたが、後日診断書が提出されると人身事故(自動車運転過失傷害)に罪名を切り替えます。
刑事事件でも同じです。
傷害罪で逮捕したが被害者が途中で死亡すると傷害致死に切り替わり、殺意が認められると殺人に切り替わります。
単純な万引き(窃盗)でも怪我をさせると強盗に切り替わります。
被疑事実の罪名は、人が死亡した、怪我をさせた、財物を盗んだなど表面上の結果は同じでも、犯罪現場の状況や行為などの捜査の過程で常に変更されるのです。
今回の埼玉県警と熊谷警察署長は現場の状況等を詳細かつ総合的に判断して危険運転致死容疑が浮上したために危険運転致死被疑事件として捜査を継続する決定をしたものです。