9月22日、元TOKIOのメンバー山口達也容疑者が東京都練馬区の道路で飲酒の上、大型自動二輪車を運転し信号で停止している前の車に追突する事故を起こして現行犯逮捕された。
山口容疑者からは、呼気1リットル当たり0.7ミリグラムのアルコールが検知された。
政令で定められた酒気帯び運転の検挙基準が0.15ミリグラムであるから、検挙基準の約5倍のアルコール量ということになり今後は常習的に飲酒状態になっていたのか、いつ、どこで、誰と、どんな理由で飲酒をして、事故の時は何処へ向かおうとしていたのかなどが捜査の焦点になってくる。
もちろん向かおうとしていた先にいた人が、飲酒運転でバイクを運転して来る容疑者の実態を把握していたのかなども捜査の対象になる。
ところで今回の山口容疑者の飲酒交通事故を受けて、酒気帯び運転と酒酔い運転の違いについて多くのメディア関係者から問い合わせがある。
多かったのは、今後捜査が進むにつれて酒気帯び運転から酒酔い運転に変更して送致されることがあるのか、という内容でる。
この点について、山口容疑者は事故現場において臨場した警察官に酒気帯び運転で現行犯逮捕されているため、捜査が進展したからと言って今後、罪名が酒酔い運転に変わることはない。
現行犯逮捕とは、現に罪を行い、または行い終わった者(現行犯人)については、犯罪事実に絶対間違いがないから逮捕状がなくてもその場で逮捕できるという逮捕手続きである。
現場に臨場した警察官が、山口容疑者について現に酒気帯び運転で事故を起こした者と判断し、酒気帯び運転の事実に絶対間違いないという状況であったから逮捕したもので、捜査が進展したからと言って現行犯人と認めた理由が変わることがない。
事件全体の流れの中で変更になる要素としてあるのは、現時点では追突された方に怪我がないため、山口容疑者の犯罪時事は飲酒運転の上で物損事故を起こした事実であるが、今後仮に追突された方から医師の診察による診断書が提出された場合には、飲酒運転と自動車運転過失傷害罪という罪名になる点である。
捜査の方法について、警視庁から送致を受けた検察官が勾留請求をして身柄を拘束した上で捜査を継続するのか、勾留の必要性はないと判断し身柄を釈放した上で任意捜査にするのかを判断することになる。
口裏合わせなどの証拠隠滅行為や逃亡の恐れがなければ単純な飲酒事故では釈放して在宅に切り替えるのが一般的である。
釈放されたからと言って刑事上、行政上の責任が軽減されるものではなく本人にとって失う代償は大きい。