交通事故の形態として最も多いのは追突事故だと思います。事故調査をしているうえでも追突事故はよくあります。そして事故調査の中でも追突した運転手の話が分からなくなってしまうのも追突事故なんです。追突事故の形態にも走行中の追突や、減速・加速中の追突、停止中の追突など様々です。追突した運転手の立場になって事故調査をすると、一般的な追突事故の場合は前方の見通しは良好で目の前の車の様子が一番分かっているはずの後続車が追突するのですから、その原因はやはり運転手の人為的な運転ミスということになると思います。運転手の中には前の車が急に止まったので対応できなかった、こんな所で停止した前の車の方に大きな原因がある、と主張する方もおります。言わんとすることやお気持ちはよく分かるのですが、前の車が急に止まったのなら、運転手さんも急に止まればよかったじゃないですか、と少し意地悪く聞いてしまいます。そうなんです、私たちが運転している車はどんな場合でも急に停止することはできません。「車は急に止まれない」というフレーズの通りです。前を走っていた車だって、急に止まれるはずがなく、徐々に減速して停止するのです。その徐々に減速して行く経過を、わき見なり疲労なりで見落としてしまい、停止直前の状態にようやく気付いたからこそ、前の車が急に停止したように見えたに過ぎません。その原因がわき見など前方不注視だったり車間距離不保持だったり安全速度違反だったりと様々ですが、要するに前の車の走行状態に自分が反応して運転操作をすることができなかったために発生しているものです。
「前の車が急に止まった」なんていうことは起こらないことを車を運転していればよく分かると思いますが、道路交通法第26条第1項では「車両等は、同一の進路を進行している他の車両等の直後を進行するときは、その直前の車両が急に停止したときにおいてもこれに追突するおを避けることができるための必要な距離を、これから保たなければならない」と定め車が急停止することを前提にしてありますので、とにかく後ろを走る車はよく前後左右には注意しなければなりません。もちろん追突した車の運転手さんだけではなく、その後ろの車の運転手さんにも同じ注意義務が課せられているんです。追突事故で停止した前の車に、また玉突きで追突したら玉突きした運転手さんはその分の責任を負わなければなりません。全くわき見運転をするな、といっても無理ですよね。景色だって見るし車内ラジオだって操作するし・・・交通環境の中でよく自分の位置と速度を考えて運転するのが単純な事故を防止する対策なのかもしれません。
追突事故の調査
2012年07月24日 · 未分類
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