和歌山県警科学捜査研究所の研究員が正しい資料ではなく過去の資料を使うなどして鑑定結果の決済を受けていたことが同僚研究員の指摘で発覚したという報道がありました。捏造された鑑定結果が裁判で証拠採用されれば公正は裁判を受ける権利が害されることになり、絶対に許されないことです。和歌山県警は今のところ「裁判への影響はなく、ただの規律違反」と釈明しています。
さて、どうしてこういう問題がおきるのでしょう?
鑑定資料は現場の捜査員がほとんどの場合「立会人」を付して採取・領置している。もっともその立会人が警察官以外の警察職員であったりする場合もあるため中立性や公平性に疑問があることは否定できません。
その鑑定資料を県警科捜研に鑑定嘱託(依頼)をして解析を実施するわけですが、その解析鑑定作業には立会人が不要のため研究員のモラルが大きく影響するのです。
和歌山県警科捜研で起きた出来事は、全国都道府県警察が同一の組織構造をとっているので、他の都道府県警察でも起きる可能性があるし、また既に起きていた可能性も十分にあるのです。
警察捜査の秘匿性のため、容易に外部鑑定委託ができないのであれば、このようなことが事実として存在していることが明らかになった以上は、鑑定資料の開封の段階から事件関係者の立会や弁護士、弁護人になろうとする者の立会など制度化していく必要性も出て来ると思います。
それにしても、このような捜査機関に捏造の疑いが持たれているのに「ただの規律違反」と釈明する県警広報官に職責の自覚を問うてみたいです。
今、私が取り組んでいる交通事故も科捜研鑑定結果が問題になりつつあります。
考えると怖い事件です。
鑑定結果捏造の疑い
2012年08月17日 · 未分類
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