実験実証による交通事故調査

2012年11月19日 · 未分類

IMG_9879交通事故は私たちの日常当たり前の生活の場所で発生しています。その現場の状況を、実際には現場を見ないで事故処理手続きを進める多くの人にいかにわかりやすく説明するかがとても大切です。警察捜査の分野では主として実況見分調書とか写真撮影報告書という書類が該当します。警察官の作成する実況見分調書が絶対的に信用されて取り扱われるのは、間違いなく警察官が現場に赴いている事実があるからです。(もちろんその実況見分調書に虚偽記載などがあるから問題が複雑になっているのですが・・・)
昨日はトラックの運転席からの視界を裁判官にわかりやすく説明するために実際に大型トラックを準備して現場の道路を何度も周回しながら撮影してきました。大型トラックの運転手にとっては当然、当たり前のことになっている運転操作特性でも普通車しか運転しない多くの人には理解し難い部分が多々存在しているのです。まして車を運転することをしない裁判官にトラックの運転席から見える景色を伝えるのは文章では限界があると気づきました。この実験でなんとか実験の目的は達成しましたが、実験をしていて痛感したのはやっぱり人間の目という機能は素晴らしい。カメラは絶対に人間の目の性能を再現できないし、同時に人間の目は錯覚を起こすということを常に頭に入れて事故調査することが大切だと思いました。

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