ひき逃げ事故の証拠品というと、一般的なイメージでは現場に残されているガラス片やドアミラーなどの部品、レンズ片などでしょうがそれで間違いではないのですが、証拠品という位置づけになるといろいろ手続きが面倒になります。現場に落ちていたからといってただかき集めてきても証拠品と呼ぶことができない場合があります。証拠品となるためには、いつ、どこで、誰が、どのように発見して集めてきたのかなどを、物品一つごとに明らかにしておかなければなりません。想像するだけで大変な書類作成の作業があることがわかると思います。
千葉県警市原署五井駅前交番の警察官が、ひき逃げ事故の現場を担当し、現場から逃走した車のプラスチック片などを不燃ごみとして捨てたということで証拠隠滅容疑で書類送検され、懲戒処分を受けたのちに退職したという報道がありました。プラスチック片などは事故の目撃者が拾い集めて巡査に渡したということです。巡査はプラスチック片などを捨てた動機について「多数の書類を作成するのが煩わしかった」と述べているようですが、それほど証拠品として取り扱うことは大変な作業なのです。
左右、上下、被害車両と加害車両を間違えたりと単純なミスが発生する原因になるかもしれません。実際、先月事故調査を実施した青森県で発生した重傷交通事故では明らかに右と左を取り違えた実況見分調書で処理が進んでいました。事故の事実い関係ないからどうでもいいと感じる性格の方ならあえて問題視する必要のないことですが、もし死亡事故など愛する人の死がそのような単純ミスの書類によって処理されているのなら、私ははっきりと正してやるべきだと思います。
ところで、ひき逃げ事故現場や当て逃げ事故現場に存在する多数の自動車部品や塗膜片などは最終的にはどのようになるかご存知でしょうか?