宮城県内では今年8月26日現在の交通事故死亡者数が、前年同期よりも10人多くなっている。特に8月に入ってから9人の方が交通事故の犠牲になり、尊い命が失われている。そこで、宮城県は緊急事態宣言を発令した。
宮城県と宮城県警察は9月25日までの1ケ月間にわたり事故防止啓発や交通取締りを強化して事故抑止を図る。
事実上は、非常事態宣言終了後からすぐに全国秋の交通安全運動に突入することになり、1ケ月前倒しに取締り強化期間を設けた形である。
今回の非常事態宣言を発令した初日に、前年ながら死亡事故が発生している。その翌日も死亡事故が発生している。非常事態発令したばかりなのに、それ以降宮城県内で3名が命を落としている。
宮城県内では2006年から7年連続で死亡事故は減少していたが、このままでは8年ぶりに増加という結果になってしまう。
死亡事故が増加傾向を示すと、県警ではいろいろな増加原因を分析する。
しかし、その分析が果たして正しいものかは誰もわからない。
今回の非常事態宣言を受けて県警交通企画課は東日本大震災で他県から応援に来ていた警察官が前年度より125人ヘリ、抑止力が低下しているとの見方も出している。
125人の警察官の増減が死亡事故原因の抑止力に影響を及ぼすのであれば、応援警察官などいなかった震災以前はどうして死亡事故が減少傾向にあったのだろう?
取締りの在り方が国家公安委員長の提言を受け見直されている現在で、いかに死亡事故抑止効果のある取締りを行うのか
関心がある。
私も現職中、何度となく交通死亡事故非常事態宣言を経験し、早朝取締りや薄暮時の取締り、夜間の取締り、深夜の取締りに追われていたことがある。
それを思うと今も同じように取締りに駆り出されている警察官の苦労がよくわかる。
適正妥当な取締りを期待したい。
なにより、私の持論だが交通事故は取締りの強化では絶対に減少することはできない。
最も重要ななのは自動車運転手の自覚であり、歩行者の自覚である。
道路を利用する者の全てが自覚してこそ事故は減少させられると考えている。
交通事故防止に特効薬な存在しない。