このところ大阪府警の不祥事が続き、その報道も盛んである。メディアへの報道発表は府警が一斉に行うものだから発表された内容が事実とは受け止めていない。しかし、府警内の自浄作用を期待して発表を見ている。
昨年12月、留置場で騒いだ男性を公務執行妨害で逮捕した際の事件処理で、警察官が警察官を取り調べた際に虚偽の供述調書が作られ大阪地検堺支部に送致された問題。これは、警察官が被害者となる公務執行妨害事件では身内での捜査となり都合よく虚偽内容で供述調書が作成され、供述した警察官も組織上の書類として、多少事実に反していても上司が録取した供述調書に氏名押印する傾向になるのはやむを得ない。
これを防ごうとすれば、警察官が被疑者、被害者になる事件は外部機関(現在は検察庁しか存在しない)が捜査しなければならない。
それでも今回の虚偽公文書作成事件については、供述者の巡査長が仮に保身のためとはいえ、事実に反する供述調書に署名押印したことを裁判で証言したことから、身内捜査であっても徹底して府警が捜査をせざるを得ず
これを機に府警の自浄作用が全国に波及することを期待したい。
現場の警察官が職務上不適切な捜査処理をしたことを知ったなら、上位階級者は直ちに適正な捜査を指示指導すべきである。
それを「何とか適正捜査の方向にもっていこう」と署員の不正を隠蔽した捜査報告書、実況見分調書を決裁し送致するような捜査幹部は
その時点から、まさに犯罪者へ転身したようなものである。
それが組織防衛上の理由であったとしても、管理者、監督者として最も恥ずべき事件指揮である。
今回の大阪府警の問題では当時に事件処理に関わった警視正1人、警視2人を警務部付などの更迭人事異動を発令した。
署員の不正を隠蔽した供述調書作成への関与の有無などのついて捜査を本格化させる。
男性警視の1人は関与を否定しており、組織内がどろどろしているが
ここまで府警組織として傷ついてしまったのだから最後まで捜査を徹底して欲しい。
このような膿の出し方は、一時社会から非難されても
必ず信頼回復の原点になるはずである。
これまではそれができないでいたことを忘れてはいけない。