私が交通事故捜査係の現職当時、追突事故を起こした運転手から追突した理由を聞くとよく
「前の車が急に止まったためブレーキをかけたが間に合わなかった」という弁解を耳にしました。
なんとなく言い訳として説明しようとしていることはわかります。
しかし、私は、というよりほとんどの交通事故係の警察官ならそんな言い訳は聞き入れないはずです。
「前の車が急に止まった」・・・?
だったら、あなたも追突しないように急に止まれば良かったんじゃないの?
どうしてあなたは急に止まらなかったの?
と聞き返します。
すると、運転手は「だって車ですよ、急に止まれる訳ないじゃないですか」
また言い訳をします。
お気づきでしょうか。車は急に止まれない。これは前の車も同じです。
前の車が急に止まったから追突したなんていう話はありえないのです。
急に止まったように感じたのは、追突した後ろの運転手が前をよく見ていなかっただけです。
前の車に少しでも責任転嫁しようとする保身の言い訳とも言えます。
10月6日、山口県警萩警察署交通課警察官が、取締りを終え警察署に戻る途中に前方を走る軽自動車に追突する事故を起こしたことが報道されました。
警察発表によると、追突事故を起こした萩警察署交通課警察官の弁解は
「前方を走っていた軽乗用車が急に止まったためブレーキをかけましたが間に合わず追突した」です。
このような言い訳をそのまま報道に載せて欲しくないものです。